四国地方が今日、梅雨入りしました。夕刻からは雨が降り出しました‥。
さて、古本屋でたまたま見つけた『象の背中』(秋元康著:扶桑社文庫)を読了しました。
秋元康という著者名に目に留まったからです。
本書には、登場人物を通じて、著者の人生訓というか、人生哲学というものが、
随所にちりばめられていました。例えば次のような記述やセリフです‥。
・世界で一番の孤独は、誰にも孤独だと気づかれないことだと思った。
・人生で、最も大切なことは全うすることだと、今気がついた。
いかなる理由があろうが、途中でリタイアしたら負けだ。
・その時、俺は気づいた。裏切ろうとする人間より、
裏切られるのではないかと疑心暗鬼になる人間の方が醜いことを‥‥。
・人生というのは鉛筆で描くデッサンのようなものだ。何本もの線を鉛筆で描きながら、
少しずつ、全体像を捉えていく。
・「女はね、生涯で一番誰を愛していたか、そのことが大切なの」
・要するに、〝贅沢〟とは、〝後ろめたさ〟のことだ。
・「死ぬのは恐くない。会えなくなることが恐いのだ」
・〝もっと〟を追い続けていては、限がない。今、そこにあるもので幸せを感じることが、〝人生の極意〟だ。
・人は生まれ、やがて死ぬ。大切なのは、その死に方だと今だから思う。
人は、きっと、このゴールのために生きているのだ。
胃ガンと闘って亡くなった義兄のことを思い浮かべながら、本書を読み進めました。
私にとっては、とても切なく、そして「重たい」小説でした‥‥。
追記 次のような名句もありました。
「人の行く 裏に道あり 花の山」(株式相場の格言でもありますよね。)
「散る桜 残る桜も 散る桜」(良寛和尚の辞世の句です。)