町立図書館で借りてきた『昭和史への一証言』
(松本重治著、聞き手・國広正雄:毎日新聞社)を読了しました。
町立図書館の「歴史コーナー」の書架をぼんやりと眺めていた時、
一冊の本の背表紙に著者の名前を偶然に見つけ、その名前に確かな記憶があったことが読書のきっかけでした。
その「確かな記憶」というのは、先日読了した『白洲次郎 占領を背負った男』(北康利著)に
著者のことが書かれていたこと、
さらに、先日視聴した「News Connect あなたと経済をつなぐ5分間」(日曜版)で、
経営共創基盤共同経営者の塩野誠さんが、「国際文化会館ジャーナリズム大賞受賞」のニュースに関連して、
当該会館の設立関係人の一人である著者のことを語られていたこと、この「二つの記憶」でした。
本書を読んで、著名な白洲次郎のほかにも、戦前・戦中・戦後と、日本の外交・内政に深く関与していた
「松本重治という国際ジャーナリストの存在」と、その詳細な功績を知ることができました。
なかでも印象に強く残ったのは、聞き手の「先生の日本語で一番おすきな言葉は何ですか?」という質問に、
著者が『それは「誠実」ということです。一番いけないのはウソとお世辞ですよ。』と答えた場面でした。
このほか、著者の「人間としての根本問題は何かというと、半分は信仰の問題になります。」という言葉も、
深く印象に残りました。「人間とは何か」について、考えるところがありました。
歴史教科書には載っていないけれど、歴史上に大切な役割を果たした「国際ジャーナリストの存在」は、
「忘れてはならない」、いや、「語り継がなければならない」と思った次第です‥‥。