今日の日経新聞「春秋」には、次のようなことが書かれていました。
『就職活動で複数の会社から内定を手にする学生を「内定ゲッター」と呼ぶそうだ。
その一方で、卒業間際まで就職先探しに奔走する学生がいる。
自己PRの書き方に面接の想定問答。
そうした型にはまった技術とは別の鍵が道を分ける。
近著「世代論のワナ」でそう説くのは人材育成コンサルタントの山本直人氏だ。
鍵の一つが親。
内定ゲッターや優秀な若手職員は皆、伸びやか。
その人柄は親が子に過度なダメだし、
つまり欠点の指摘をせず信頼して育てた結果だとみる。
子を信じるには親に自信が要る。自信に満ちた親から自信に満ちた子が巣立つ。
こうして目に見えない「自信の相続」が進行中だと山本氏。
〜(中略)〜
人材の流動化や多国籍化でコミュニケーション能力の高い社員を企業が求め始めた。
伸びやかな人が引き手あまたなのもそのためらしい。
そもそも若者が生き生きしていない社会の未来は暗い。
彼らが自分に自信を持てるよう、学校や職場は不要なダメだしをやめて、
「勝つ」体験を積ませてはどうだろう。』
このコラムを読んで、わが娘が就職活動をしていた頃を思い出しました。
娘は、大学二年生の時に、約一年間留学をしていた関係で、
学業から就活への切り替えが難しかったでしょうし、
そもそも四年間で卒業できるのか、親としては大変心配していました。
ところが、親の心配もよそ事のように、
娘は大学三年生の時にはインターンシップに挑戦、その成果を学内で発表したりして、
就活もなんとか乗り切って内定を得、地元企業に無事就職することができました。
その娘も今は育児の真っ只中です。
娘が東京で就活している間は、
親として口を挟むこともしないかわりに、援助することもできませんでしたが、
娘の携帯電話に「今日の言葉」というタイトルで、
私の気に入った名言名句をメールで毎日のように送り続けたことを思い出します。
どんな言葉(名言名句)を送ったか、今ではすっかり忘れてしまいましたが、
言葉を送った本人が、その言葉に一番勇気づけられたのかもしれません。
なお、「人事部は見ている」の著者、楠木新さんは、
月刊誌「Voice」の2月号で、
「シューカツは最後の子育て」と題し、次のように述べられています。
『もう一度いう。
子供がいま不安を抱えて船出をしようとしているのである。
いまこそ関心を抱かなくて親の務めを果たしているといえるのか。
子供の成長する姿をみることができるチャンスが目の前にある。
これを逃せば、もう好機は巡ってこない。
「最後の子育て」なのだ。
こんな、またとない機会を逃す手はないと私は思うのである。』