しんちゃんの老いじたく日記

昭和30年生まれ。愛媛県伊予郡松前町出身の元地方公務員です。

昭和は遠くなりにけり

今日は「昭和の日」です。
私の世代は、「昭和天皇の誕生日」のイメージが強いです。

さて、今日の日経新聞「社会面」には、
「昭和の日」のことについて書かれた記事が掲載されていました。

『4月29日は昭和天皇の誕生日。
 平成に入ってからは「みどりの日」となったが、2007年に「昭和の日」に改められた。
 国民の祝日を定めた祝日法は、
 長く悲惨な戦時下の年月と国家再建の歴史を踏まえ「激動の日々を経て、
 復興を遂げた昭和の時代を顧み、国の将来に思いをいたす」日と規定している。
      〜(中略)〜
 関西大の片桐新自教授(社会学)は若い世代からも「昭和」が支持される背景について
 「現代は『もっと良くなる』という希望を持ちづらい。
 右肩上がりだった時代に生きてみたかった、
 という憧れが若者をひき付けているのではないか」と分析。
 昭和の日について
 「良き時代の前には苦難の戦争があった歴史を振り返る機会にもなる」と話した。』

また、産経新聞「主張」には、
『昭和の日 あの時代に「復興」を学べ』という社説が掲載されていましたが、
その前半部分には、次のように書かれていました。

『4月29日は言うまでもなく昭和時代の天皇誕生日だった。
 昭和天皇崩御後は「みどりの日」となったが、
 昭和を振り返り、昭和天皇を偲(しの)ぶよすがとしたいとの国民の強い声を受け
 「昭和の日」に改められたのである。

 しかし平成になって四半世紀以上が過ぎ、「昭和」は確実に風化しつつある。
 激動の時代を身をもって体験した世代でも、
 記憶の中の風景は徐々に遠いものとなってきていよう。
 ましてや若者らにとっての昭和は、特段の思い入れもない「近過去」でしかなく、
 日本が米国と戦ったことすら知らない大学生も少なくないという。

 あらゆるものの変化が激しい時代だからこそ折にふれ、
 昭和の空気を吸い直してみることが大切なのではあるまいか。
 決して甘い感傷でも懐古趣味でもない。
 むしろ将来の日本を考えるとき、昭和の記憶を掘り起こし、
 そこから学ぶことは多いはずである。』

二つの記事を読んで、
「もはや戦後ではない」と言われた頃に生まれ、
高度成長の恩恵を享受した私の世代は、とても幸運な世代のように思います。
でも、記事にも書いてあるように、
戦争を知らない私の世代でさえ、「昭和」という風景は徐々に遠くなっていきます。

郷土が生んだ俳人、中村草田男の俳句に、
「降る雪や 明治は遠くなりにけり」という句がありますが、
今は、「○○や 昭和は遠くなりにけり」といった心境でしょうか…。

はて…、「○○」に入る適切な言葉はないかしら?
「逝く春や」なんてどうでしょう?