私が「天は二物を与える」というタイトルで
「その人」のことをこの日記に書いたのは、2013年10月11日でした。
「その人」とは、歌手でもあり女優でもあり、
そして、名エッセイストでもある、小泉今日子さんのことです。
その小泉さんが、
「小泉今日子書評集」(中央公論新社)という本を出版されたことを、
今月15日の日経新聞「読書」欄の「あとがきのあと」で知りました。
そこには、次のような紹介文がありました。
『38歳から48歳までの10年間に書いた書評を一冊にまとめた。
取り上げた本は97冊。
振り返ると「家を買おうか考えていたときは家の話を読んだり、
年齢を重ねると健康に関わる本を選んだり」。
一人の女性としての「その時々の悩みや不安、関心が露呈していて
恥ずかしい」とはにかむ。
~(略)~
結果、著者の生き方が浮かび上がるエッセー集としても読めるものに仕上がった。
「良い本に出合った時に『ちゃんと生きよう』と感じた思いを伝えたかった」
と話すように、読むと前向きな気持ちになれる書評も多い。』
今回出版された本のなかで取り上げられてるのかどうか、
まだ現物を手に取っていないので分かりませんが、
私も、小泉さんの書評を読んで買った本があります。
それが、角川文庫の『寺山修司少女詩集』でした。
先月28日の産経新聞「産経抄」でも紹介されていたように、
小泉さんの書評を読むと、その本が読みたくなるような
緩やかな説得力と不思議な魅力があります。
そして、さきほどの「あとがきのあと」には、次のような文章もありました。
『書くという表現方法は、歌や演技に比べると「一人で取り組める自由さがある」。
自由で孤独な作業は「苦しくもあり、楽しくもある」。』
小泉さんは、この「書く作業」の「奥深さ」を
十分理解されているのだと思います。
次は、「小説」の出版を期待しています。