昨日29日の朝日新聞一面コラム「折々のことば」は、明治の思想家・中江兆民の
『俗論は頑論(がんろん)よりも害あり。』という言葉で、
いつものように、鷲田清一さんの次のような解説がありました。
『憤懣(ふんまん)の溜(た)まる社会では、
「極端と極端とを並べて見せる」性急で頑(かたく)なな論がはびこる。
これらは他山の石としうるが、厄介なのは俗論のほう。
尖(とが)らない論点は温和でいかにも正論に映るが、その耳あたりのよさが批判力を鈍らせ、
大勢を見誤らせる。そして人心が議論に倦(う)めば、社会は内部から蝕(むしば)まれてゆく。
だから論を耕せと、明治の思想家は警(いまし)めた。「中江兆民評論集」から。』
う~む、なるほど‥‥。とても含蓄に富む言葉だと思います。
それはそうと、「中江兆民ってどんな人だったっけ‥?」と、ウィキペディアで調べると、
『日本の思想家、ジャーナリスト、政治家(衆議院議員)。
フランスの思想家ジャン=ジャック・ルソーを日本へ紹介して
自由民権運動の理論的指導者となった事で知られ、東洋のルソーと評される。』との解説がありました。
はぃ‥、そうでした。歴史の教科書で習った歴史上の人物の記憶が、今よみがえりました。
「俗論」、「頑論」ではなく、論を耕す「耕論」を期待したいと思います。