一昨日23日の朝日新聞一面コラム「折々のことば」は、井上ひさしさんの
『作文の秘訣(ひけつ)を一言でいえば、自分にしか書けないことを、
だれにでもわかる文章で書くということだけなんですね。』という言葉で、
いつものように、鷲田清一さんの次のような解説がありました。
『自分がいちばん大事に思っていること、辛(つら)いこと、嬉(うれ)しいことを書く。
一人ひとり少しずつ違う「その違うところ」を平明に書く。
いい文章はそのことで人の心を動かすと、
作家は「井上ひさしと141人の仲間たちの作文教室」で語る。
彼は生前よく、「むずかしいことをやさしく、やさしいことを深く、深いことを面白く」
とも語った。』
私は、子供の頃から、作文=文章を書く作業が苦手でした。
絵日記も苦手だったし、読書感想文もしかり‥‥。
その私が、今ではこの日記で、日々の雑感や読書感想文を書いているのが不思議です。
作文=文章の書き方を分かりやすく解説した「文章読本」は、
私は、谷崎潤一郎、三島由紀夫、丸谷才一の三冊を所持していますが、
いずれの本も、敷居が高く、最後まで読み通すことができずに、ほぼ積読状態になっています。
それに引き換え、今日の井上ひさしさんの「ことば」と鷲田清一さんの「解説」は、
短かったけれど、モノを書くことの本質を突いているようで、妙に納得できるものがありました。
要するに、「単純なものほど難しい」という理解でいいのでしょうか‥‥?