忘れてしまうくらいの厳しい暑さが続いています。
ただ、少なくとも暦のうえでは秋になったので、
これからは徐々に涼しくなっていくことを期待したいと思います。
さて、久しぶりに、朝日新聞「折々のことば」の感想を書きます。
今日8日の「折々のことば」は、『選んだ孤独はよい孤独』という「ことば」で、
これは「フランスの言い習わし」とのことでした。
そして、鷲田清一さんの次のような解説がありました。
『人々から見捨てられていると感じることと、
世評を気にせず自己のうちに深く沈潜することとは異なる。
ロンリネス(ひとりぼっちの寂しさ)とソリチュード(孤独)とは
まったくの別ものである。
町なかで人々と一緒に暮らしながら、
ひっそりとした一人の時間を大事にする生き方、
つまり「市隠」に、評論 家・川本三郎はひかれる。
地方紙に寄せた随想「市隠への憧れ」から。』
鷲田さんの解説に「市隠(しいん)」という聞き慣れない言葉があったので、
電子辞書で調べてみると、
「官に仕えないで、市井に隠居すること。また。その人」との解説がありました。
う~む、辞書の解説と鷲田さんの解説には、
若干ニュアンスの違いあるように思いますが、
私も、「町なかで人々と一緒に暮らしながら、
ひっそりとした一人の時間を大事にする生き方」に憧れてしまいます。
それにつけても、日本語で「孤独」というと、
「孤独死」など、どちらかというとネガティブなイメージがあるけれど、
英語には「ロンリネス」と「ソリチュード」という二つの「ことば」があり、
「ソリチュード」は「孤独」を肯定的な生き方として捉えているようです。
私はどうでしょう……?
深く沈潜する「ソリチュード」ではなく、
寂しい「ロンリネス」の道を歩んでいきそうな気がします。