しんちゃんの老いじたく日記

昭和30年生まれ。愛媛県伊予郡松前町出身の元地方公務員です。

デフレ脱却のための論点

自民党の安倍総裁が提唱する大胆な金融緩和策を巡る議論が活発になっています。

早速、白川日銀総裁の反論が今日の新聞にも掲載されていますが、
そもそもの日銀のスタンスについては、
白川日銀総裁の11月21日の講演
「物価安定のもとでの持続的成長に向けて」が大変参考になります。

この講演の中で白川総裁は、
「デフレ脱却を巡る論点」と「日銀の金融政策を巡る論点」について、
わかりやすく説明されています。
この日記をメモ代わりに利用して、論点と日銀の主張を整理しておきたいと思います。
今日は、まず「デフレ脱却を巡る論点」から…。

「デフレ脱却」とは何を意味し、そのためには何が必要であるかについて、
論点は、「デフレ脱却と物価上昇との関係」、「インフレ予想を巡る議論」、
需給ギャップの意味」、「成長力強化の重要性」の4つ。
以下、論点の中で重要と思われる部分を抜き出してみました。
・我々(日銀)が実現を目指しているのは、
 デフレから脱却し、物価安定のもとでの持続的成長経路に復帰すること。
 つまり、単に物価が上がりさえすれば良いということではなく、
 企業収益や雇用の増加、賃金の上昇など、経済そのものが全般的に改善し、
 その結果が物価の緩やかな上昇として現れる状況を目指している。
・「物価も賃金も上がらない」という状況が長く続いた経済においては、
 いきなり人々のインフレ予想だけが先行して高まる、
 あるいは高められると考えるのは現実的ではない。
 消費者が物価は上がるものではないという「物価観」を背景に、
 企業の値上げを受け容れないため、企業でも賃金を含めてコストを抑制する動きが続き、
 デフレからの脱却に時間がかかっているという面もある。
 やはり、経済の成長力を強化し、賃金の引き上げを実現していく、
 という実体的な変化を起こすことが不可欠。
需給ギャップというのは、あくまで現存する供給構造を前提に、
 それらに対応する需要不足を捉えたものに過ぎない。
 本来「需給のミスマッチ」と認識すべき部分まで、「需要不足」という形で示されている。
 持続的に需給ギャップを改善していくためには、潜在需要を顕在化させるように、
 経済の変化に合わせて供給構造を作り変えていくことが必要。
日本銀行は、日本経済がデフレから脱却し、
 物価安定のもとでの持続的な成長経路に復するという課題は、
 幅広い経済主体による成長力強化の努力と金融面からの後押しの双方が
 あいまって実現していく、ということを繰り返し強調している。

デフレ(物価の持続的な下落)という言葉ひとつとってみても、
白川総裁が指摘しているように、私たち庶民は、
物価の下落は「どちらかといえば好ましい」という人が大多数で、
「給料が上がらない現状で、物価だけが上昇しては困る」
という感覚であることは間違いないと思います。

明日は、「日本銀行の金融政策を巡る論点」について整理したいと思います。