しんちゃんの老いじたく日記

昭和30年生まれ。愛媛県伊予郡松前町出身の元地方公務員です。

一丁目一番地はいずこに

2月27日に、この日記で紹介したレポートでは、
「経済成長の担い手はあくまで民間セクターであり、
 成長分野はお上から教えてもらうものではない」と書かれていましたが、
経済成長のために、「政府ができること、やらなければならないこと」はあります。
それは規制改革です。

同日の27日の日経新聞「経済教室〜規制改革どう進める㊤」で、
大田弘子政策研究大学院教授が、
「世界最先端の水準めざせ」というタイトルで、規制改革の必要性を力説されていました。

大田先生は、
規制改革により、事業者の創意工夫を阻む壁を取り除き、
消費者の潜在的需要を開花させれば、
日本経済の需給両面からの成長可能性は大きく広がるとして、
規制改革を進めていくうえでの重要なポイントを4つ指摘されています。
私なりに要約すると次のようになります。
 ① 規制改革は消費者のためである。
   「誰のための規制か」を常に問い、その社会的費用を明らかにし、
  既存企業の保護になっている規制は撤廃していくべき。
 ② 規制改革はその業界の発展のためでもある。
   規制改革により伸びる事業者を伸ばし、競争力のない事業者には退出を迫るという
 「普通の産業」にすることで、業界全体の生産性が向上し、雇用機会を増やすことができる。
③ 規制改革は労働市場とセットである。
  成長分野をつくるとは、そこに労働力が移動することでもある。
  そのとき、働く者の不利益を最小にし、逆に転職が結果的にプラスになるように、
 職業訓練を含めた労働市場全体の改革が必要だ。
④ 規制改革はパッケージである。
  各分野の規制改革はそれぞれが有機的につながることで真の効果を発揮する。

大田先生は、
20年を経た今も変わらずに残っている岩盤のような規制がある、
それは、医療、介護、保育、農業など、運営主体が一定の法人に限定され、
企業の参入を阻んでいる「官製市場」と呼ばれる分野だと述べられています。
また、かつて経済財政諮問会議を取り仕切っていた大田先生は、
その経験から、「規制改革に最も必要なのは首相のリーダーシップだ」と強調されています。

規制改革は、「安倍政権の一丁目一番地」、「成長戦略の一丁目一番地」になれるのか?
経済財政諮問会議」と「産業競争力会議」における議論に目が離せません。
もちろん、大田先生が議長代理をされている「規制改革会議」も……です。