昨日5日の新聞各紙の一面は、日銀の金融緩和に関する記事のオンパレードでした。
その中でも、私が注目したのは、次の記述です。
『日銀の黒田東彦総裁は4日、
金融政策決定会合後の記者会見で「次元の違う金融緩和だ。
戦力の逐次投入はせず、必要な政策はすべて講じた」と強調した。』
「戦力の逐次投入」で思い起こすのは、
太平洋戦争における「ガダルカナル島の戦い」です。
ウィキペディアで調べると、次のように書かれています。
『アメリカ軍が日本から奪取した飛行場を巡る地上戦では、
日本軍の情勢判断の誤り、輸送能力の不足、戦力の逐次投入などにより
攻撃はことごとく失敗した上、
食糧不足と熱帯病のため日本軍にとってガダルカナル島(「ガ島」)は「餓島」となった。』
ご案内のとおり、
「戦力の逐次投入」というのは、兵法の観点からは「愚策中の愚策」と言われています。
黒田総裁は、小出しの対応を繰り返し、
デフレ脱却に失敗した白川前総裁時代の金融緩和策を
「戦力の逐次投入」という言葉を使われて批判されたのでしょう。
しかし、日経新聞の記事には、次のように書かれています。
『日銀は14年末までに資金供給量を約132兆円増やし、
3つのルートで景気底上げを狙う。
だが日銀の見通しでは実際に経済活動に使われる銀行券は3兆円増えるだけ。
残りの128兆円は金融機関が預金の支払いに備えて日銀に預けている当座預金が増えるだけで、 本当に世の中のお金が回りだすとは限らない。』
う〜ん、ますます分からなくなりました。
やはり、資金は循環しなければ意味がないということなのでしょうか?
そうすると、今後は、日銀の「次元の違う」金融緩和政策に応えて、
政府や企業、そして私たち国民も、
質・量ともに「次元の違う」チャレンジをする必要があるのかもしれません。