ロシアのクリミア編入問題を理解するうえで、
今月25日の日経新聞「経済教室」に掲載された、
中谷和弘・東京大学教授の『国際法からみたクリミア問題〜武力背景の編入は違法』
という論考が大変役に立ちました。
いろいろと説明が書かれていましたが、
要するに、「力による現状変更」であるロシアのクリミア編入は、
国際法違反が明白だということです。
そこで、次に気になるのが、
今回の問題が、我が国がロシアと抱える北方領土問題に
どのような影響をもたらすかということですが、
中谷教授は、次のように述べられていました。
『クリミア編入は北方領土問題にいかなる含意を有するのだろうか。
ロシアは「現島民の意思を最優先させるべきだ」と主張してくるかもしれない。
その場合には「領土の帰属は住民の意思では決定されず、国家間の合意が優先する」
「45年の違法な侵攻に基づく不法支配の継続から権利は生じない」と反論するのが、
国際法に従った正攻法であろう。』
う〜ん。なるほど…。とても勉強になりました。
日本としては、あくまでも国際法に従って主張・行動すべきなのですね。
そして、次の次に気になるのが、
米国や欧州など国際社会を敵に回して、「ロシアは大丈夫なのかな?」という疑問です。
これについては、「かんべえ」さんが、
今月25日の「不規則発言」で、面白いことを書かれていました。
『 〜(略)〜 ところがこのタイミングで、
再び「G7vs.ロシア」という対立の構図が復活することになった。
でも、これは「新冷戦」と言うほどではない。ちょっとだけ世界観が違うだけである。
ついでもって言うと、国力の差も圧倒的である。悪いけどロシアに勝ち目はない。
世界第9位の経済国が、G7を相手に喧嘩を吹っかけても、
ロシアから資金が逃げ出していくだけである。
特に経済制裁なんてしなくても、ロシア経済はもう詰んでいる。』
「消費税増税後の日本経済はどうなるのか?」
といった国内問題もさることながら、国際問題にも目が離せない今日この頃です。