今月9日付けの「溜池通信」の記事中、
<今週のThe Economist誌から>は、
”Workers on tap” 「労働力の水道哲学」でした。
エコノミスト誌の<抄訳>の前段で、
「かんべえ」さんが次のようなコメントを述べられていました。
『急速に発達中のオンデマンド経済とは、
サービスを水道水のように提供する「水道哲学」なのではないか。
かかるThe Economist誌の分析を、故・松下幸之助翁は何と聞く?』
ここでいう「オンデマンド経済」とは、記事中の
「今日の起業家たちは、コンピュータとフリーランス労働者を用いて、
かつては贅沢とされたサービスを提供している。
Uberは運転手を、Handyは掃除士を、SpoonRocketは料理を宅配してくれる。
今や若者でも王女のような暮らしが可能である。」
という記述を読んで、その「定義」を想像できるのですが、
「水道哲学」と「松下幸之助」との関連性については、
記事に具体的な解説がなく、意味不明なところがありました。
そこで、私なりに調べてみると、
今月10日の日経新聞電子版の「週末スキルアップ術」に、
『松下・本田・井深、名経営者の言葉〜人を動かす共通点』
という記事がタイミングよく掲載されているのを見つけました。
それによると、松下幸之助翁は、
水道の例え話を用いたことから「水道哲学」と呼ばれたそうで、
次のような名言が紹介されていました。
『産業人の使命も、水道の水のごとく、物資を無尽蔵たらしめ、
無代に等しい価格で提供することにある。』
この名言を読んで、
先ほどのエコノミスト誌の<抄訳>の、次の記述がなんとなく理解できました。
ただし、「物資」を「労働力」に置き換える必要はありますが…。
『オンデマンド経済は個人にリスクを課す。
こんな時代を生き延びるには、自己教育はもちろん、売り込み方も学ばねばならない。
何しろ「私カンパニー」の主になるのだから。』
贅沢な世の中になっても、何事にも「リスク」や「一長一短」があるようです…。