年明けの世界の株式市場では株価の下落が続いて、
東京市場では戦後初という年明け6日連続の値下がりとなりました。
株式市場では一体何が起きているのだろう?
この疑問に分かりやすく答えてくれているのが、NHK「解説委員室」のHPです。
兜町には「相場の格言」というのがあり、「申酉(さるとり)騒ぐ」といって
「申年」と「酉年」は相場が大きく動くと言われているそうです。
今年は「申年」で、格言どおりの騒がしい年明けになっていることに、
まずは驚いてしまいました。
格言というのは昔の人の叡智が凝縮されたものであり、
決して軽んじてはいけないことが、今回の事例を見てもよく分かります。
それはさておいて、
株価下落の最大の原因は、中国の株式市場の混乱とのことでした。
中国では、株価が急落すると自動的に取引を終了する
「サーキットブレーカー」という仕組みを年明けに導入しましたが、
取引4日間のうち2日、実際にこれが発動しました。
「ブレーカーが作動すると売れなくなってしまう」と動揺した
投資家の売り注文が殺到して、逆に急落を促してしまう結果となったようです。
そして、もう一つが中国の通貨・人民元の値下がりです。
解説によると、これは資金が中国から外国に逃げ出していることの表れで、
中国当局はこれを防ぐ目的で、持っているドルを売って、
人民元を買い支える市場介入をしている模様ですが、
中国の外貨準備は、先月はわずか1カ月間で
12兆円も減ってしまう厳しい状況になっているとのことでした。
う~む、中国の経済情勢は、よほど深刻な状況なのですね。
2008年のリーマン・ショックの際、
中国政府は4兆元の景気刺激策を発動し、世界経済を危機から救いましたが、
逆に、その対策が中国経済の改革を遅らせることになった、
このことが足元の株式・為替市場の不安定さの遠因、
との見方もあると聞き及んでいます。
ここでも「因果はめぐる糸車」という格言が生きているのですね…。