今日29日の朝日新聞デジタル版「池上彰の新聞ななめ読み」では、
サッカーW杯開会前には、とかく酷評されていた日本代表の活躍ぶりについて、
池上さんが、セネガルと引き分けた興奮が冷めた頃の今月26日付朝刊の記事を比較されていて、
そこでは、日経新聞一面コラム「春秋」も紹介されていました。
もう一度そのコラム思い出すために、全文を次のとおり引用させていただきます。
『いじわるな上司、クレームを言い立てる客、隣人を見下すママ友‥‥。
そういう理不尽を撃退した出来事を紹介し、スカッとした度合いを測るテレビ番組がある。
それまで人を小バカにしていた相手が、
こちらの実力を知ったときの狼狽(ろうばい)ぶりなど「スカッと度」最高だ。
サッカーのワールドカップ(W杯)ロシア大会で1次リーグを戦っている日本代表は、
目下この高揚感にしびれているだろう。
いろいろ難癖をつけられていたのに本番ではコロンビアを打ち破り、
セネガルには2度にわたり追いついてドローに持ち込んだ。
半端ないって! お見それしました! の声が列島に満ちている。
もっともわれら、忸怩(じくじ)たるものを感じないわけにはいかない。
開幕2カ月前の監督交代、ベテラン重視の代表選考、親善試合での不振などに世の批判は噴出し、
「忖度(そんたく)ジャパン」なる揶揄(やゆ)もあった。
それが一転、西野朗監督の「神采配」をたたえ、本田圭佑選手を「大明神」とあがめる。
手のひら返しの見本というべきか。
だからその逆の現象も起きうるのがニッポン社会の怖さである。
バッシングと賛嘆はどうやら紙一重なのだ‥‥などという理屈はさておいて、
毀誉(きよ)褒貶(ほうへん)に取り巻かれてきた日本代表はいたって冷静であるに違いない。
ポーランド戦はあさっての深夜。
究極のスカッとを見せてくれると願いつつ、まずは寝だめをしておこう。』
今朝起きて、ポーランド戦の日本代表の戦いをニュースで見た私‥‥。
決勝トーナメント進出は素直にうれしかったものの、
「究極のスカッと」には程遠いものがありました。(後味の悪さだけが残りました。)
というのも、試合終了直前に大ブーイングのなか、ボール回しに終始した日本代表の戦略は、
勝負の世界とはいえ、果たして正しかったのかどうか、釈然としなかったからです。
(それはまるで、高校野球の「松井秀喜5打席連続敬遠」を思い出すようなシーンでしたし、
個人的には、リスクを負ってでも、果敢に攻め続けてほしかったです。)
小・中学生の道徳教育の教材になりそうな事例だと思います‥‥。