しんちゃんの老いじたく日記

昭和30年生まれ。愛媛県伊予郡松前町出身の元地方公務員です。

経験こそ科学の原点

日経新聞では今月から、野中郁次郎一橋大学名誉教授の「私の履歴書」の連載が始まりました。

その第4回目の今日は、「苦手な簿記 得意の英語で早大合格 商業高校に進学、数学は肌に合わず」

というタイトルで、次のようなことが書かれていました。


『ここで数学と論理的な思考について一言付け加えたい。

 数理経済学が典型なのだが、あらかじめ与えられた数式を展開していく「形式論理」だけでは

 真理には到達できないのではないか、とかねて主張している。

 形式論理を展開する前に、直観から本質をえぐり出す「意味づけ」「価値づけ」のプロセスがあり、

 そうして、えぐり出した本質を「形式化」するのがサイエンスだと考えているからだ。

 私は理数系の科目が苦手だったが、物事の本質を直観的にとらえるのはわりと得意で、

 概念や理論を生み出す原動力になっている。科学の方法論をみても、はじめは「観察」である。

 分析から始めるのではなく、経験こそが科学の原点なのだ。』


う~む、なるほど‥‥。「経験こそ科学の原点」ですか‥‥。

野中先生といえば、名著『失敗の本質』(中公文庫)の執筆者のお一人として有名ですが、

その著名な経営学者の先生が、数学が苦手だったと知って、意外な思いを持ちました。

同じく数学が苦手だった私には、これまでの人生を肯定してもらったような気分です。(大袈裟かな‥?)


これから月末までの連載で、どんなことを書かれるのか、毎日楽しみに読み進めたいと思います。