今日の朝日新聞一面コラム「折々のことば」は、明治の思想家・福沢諭吉の
「平生よりよく心を用ひ、政府の処置を見て不安心と思ふことあらば、深切にこれを告げ、
遠慮なく穏やかに論ずべきなり。」という言葉で、
いつものように鷲田清一さんの、次のような解説がありました。
『近代国民が欠いてはならぬ心構えはこれだと、明治の思想家は説く。
「政府の事は役人の私事にあらず、国民の名代となりて、
一国を支配する公(おほやけ)の事務といふ義なり」。そこに「私曲」などあってはならないと。
主(あるじ)はどこまでも「人民」。
「遠慮なく穏やかに」という表現にその自恃(じじ)の志が漲(みなぎ)る。
「学問のすゝめ」(伊藤正雄校注)から。』
う~む、まいったな‥‥。「学問のすゝめ」にこんなこと書いてありましたっけ‥‥。
もうすっかり忘れてしまいました。
でも、こうして、「既存知識の再点検の必要性」を認識させてもらうのは、
とっても有難いことだと思います。
そして、鷲田さんの解説にある「自恃」は、
辞書によると「自分自身をたのみとすること」と書いてあります。
時代は移り変わっても、「主が人民」であるためには、
個々人が「自恃の志」を持つことが、必須の前提条件なのだと思います。