日経新聞電子版「Nextストーリー」では、
今日から「哲学者が考えていること」というタイトルの連載記事が始まりました。
第一回目は、哲学者で東大准教授の國分功一郎さんで、記事には次のようなことが書かれていました。
『「‥‥劇作家ブレヒトは“英雄がいない時代は不幸だが、
英雄を必要とする時代はもっと不幸だ”と言いましたが、
僕は“哲学がない時代は不幸だが、哲学を必要とする時代はもっと不幸だ”と思う」
古代ギリシャではポリス(都市国家)が腐敗した時代にプラトンらが現れ、新しい知を人々に説いた。
「哲学は社会が危機に直面したときに現れるもの」。まさに現代は哲学の時代といえる。
思索を同時代の問題に向けてきた。國分の名が広く知られるきっかけとなったのが、
消費社会や人間疎外の問題を考察した「暇と退屈の倫理学」(2011年)だ。
國分が喝破したのは、私たちは「無為に時間を過ごすべきではない」との強迫観念にとらわれており、
余暇すらも有意義な時間として「消費」することを求められているという現代の病理だった。』
『哲学という学問は先行する思想の研究を通じ自分の考えを築いていく。
國分が研究対象としたのは17世紀オランダで汎神論を説いたスピノザと、
人間の無意識と欲望を考察した現代フランスの思想家ドゥルーズだった。
特にスピノザは「生き方を教えてくれる人」だという。
國分はその哲学のエッセンスを「“君はこういう人間だからこうしなければならない”という捉え方ではなく、
人間の本質とはその人の(潜在的な)力であり、どうしたらそれを発揮できるかを考える思想」と説明する。
そんな「自由の哲学」に魅了された。』
う~む、なるほど‥‥。
國分さんといえば、かつてNHKEテレ「100分de名著」に出演されて、
スピノザの著書「エチカ」を解説されていたことを思い出します。
そして、哲学といえば、私は、哲学者、故・池田晶子さんの「悩むな、考えよ」を心の拠り所としています。
なお、この記事の冒頭には、
『私たちが複雑な世界を生きるためには、「ノウハウ」や「スキル」ではない、本当の「知」が必要だ。』
と書かれていました。
「哲学が必要とされる時代」をどう生きるべきなのか‥? 明日からの連載記事も楽しみにしています‥‥。