今日11月25日は、「憂国忌」です。
「こよみのページ」のHPには、
「1970年(昭和45年)のこの日、市ヶ谷の自衛隊に楯の会メンバーと乱入、
クーデターを呼びかけ、割腹自殺した作家の三島由紀夫の命日」との解説がありました。
昭和45年、私は中学三年生でした。
なんだかとんでもない出来事が起きたことは、当時の私にも理解できました。
そして、折しも「文藝春秋」12月号では、
『衝撃の「割腹自殺」から50年』という特集記事が組まれていて、
小説家の平野啓一郎さんが、『「豊饒の海」とミドルエイジクライシス」と題して、
次のようなことを述べられていました。
『政治的に言えば、三島は僕と正反対の立場です。
ただ三島は、社会の堕落や欺瞞を誰よりも敏感に感じていたし、それを強烈に批判しました。
その批判のよって立つところが天皇でよかったのかどうかは、
僕自身が批判的に考えるべきところですが、
それでも三島について語ろうとすれば、考えなければならないことが山ほどある。
読まなければいけない本も山ほどある。だからその意味では、本当に豊かな作家です。
没後50年というタイミングもあって、社会の関心は、
どうしても彼の劇的な「死」や「行動」に向かいがちですが、
我われが真っ先に向かい合うべきなのは、彼の「作品」だと思います。
それが何よりも、汲みつくせないほどに〝豊饒〟なものだからです。』
はぃ、ご指摘のとおりで、
まずは三島由紀夫という作家の「作品」に向かうべきなのでしょうね‥‥。
その作品の中でも、やはり私は、「金閣寺」よりも「豊饒の海」が、お薦めだと思います。
‥‥いや、それにしても、私の好きな高橋和巳という作家の作品は、
どうして三島由紀夫ほどに世間の支持を受けなかったのかしら‥?今でも不思議に思っています。