昨日の朝日新聞一面コラム「折々のことば」は、チェコの作家・カレル・チャペックの
『歴史は「誰かが何かをなすべきである」と提案する人よりも、
むしろ「何かをしている人」を必要とするのです。』という言葉でした。
この言葉で思い出したのは、「ラ・ロシュフコー箴言集」(岩波文庫)にある
「人は忠告は与えるが行いは一向に授(さず)けない。」という言葉でした。
言葉の表現はそれぞれ違っても、その「本旨」は同じではないかと感じた次第です。
そして、今日の朝日新聞一面コラム「折々のことば」も、
「歴史の大きな、地をゆるがすような哄笑(こうしょう)は底辺からわき上がってくる」という言葉で、
いつものように鷲田清一さんの、次のような解説がありました。
『富裕な人より貧しい人のほうが、幸福な時より苦境にある時のほうが、
よく冗談を飛ばすものだと、チェコの作家は言う。
支えあわなければ生きていけない人たちの平等で屈託のない「仲間意識」が、
生存の苦痛をなだめるためにユーモアの感覚を紡ぎだしたのだと。
被災地やホスピスの現場に本当に必要なのもそれかも。
「カレル・チャペックの闘争」(田才益夫訳編)から。』
う~む、なるほど‥。生存の苦痛をなだめるには、ユーモアの感覚が必要なのですね‥‥。
冬空の低く垂れこめた雲のように、日々、重苦しいニュースが続いていますが、
どんなに苦しい局面でも、心まで荒(すさ)んでしまわないように、お互いに気を付けたいものです。