しんちゃんの老いじたく日記

昭和30年生まれ。愛媛県伊予郡松前町出身の元地方公務員です。

「もどかしい思い」を抱く

今日の日経新聞マーケット総合欄の、「大機小機」が勉強になりました。

「緊急事態宣言の動学的不整合性」というタイトルで、次のようなことが書かれていました。


『経済学に「動学的不整合性」という概念がある。

 2004年にノーベル経済学賞を受賞したキドランド氏とプレスコット氏が提唱した。

 当初は最善と思われる政策が実行されるにつれて望ましいものでなくなる現象を指す。

 一般に、中長期的な観点からは、政府が一貫性のある政策を公約し、

 それを実行していくことが望ましい。しかし、当面の問題を解決するには、

 しばしば当初の公約とは異なる政策を実行することが必要となる。

 ただ、政府が公約とは異なる政策を繰り返し行うと、人々は政府の言葉を信じなくなり、

 結果的に非効率な経済状況が実現する。

 コロナ下で繰り返し実行されることになった「緊急事態宣言」も、

 動学的不整合性が当てはまる典型的な事例といえる。

 宣言によって当面の感染拡大を抑制するには、短期間だけ厳しい措置を行うことを公約し、

 あらゆる分野の経済活動を一時的にストップすることが効果的である。

 しかし、それでも感染の抑制が十分でない場合、

 政府は当初の約束を翻して、厳しい措置の継続が必要となってしまう。

      ~ (中略) ~

 人間は今後何が起こるかを考えながら意思決定を行う生き物で、

 政府がその行動をコントロールすることは決して容易ではない。

 これは、公約への期待が裏切られた際に、より深刻な問題になる。

 残念ながら、日本でワクチンが普及し、感染が終息に向かうのは当分先になりそうである。

 それまでは、場当たり的な対応ではなく、一貫性のある政策を続けることが必要だ。

 政府が説明責任を果たすことで、人々の信頼を勝ち取っていくことが、

 結果的には望ましい経済社会を実現する上で有用である。』


う~む、なるほど‥‥。

経済学には、「動学的不整合性」という、堅苦しい表現の概念があるのですね‥‥。

ただ、以前から思っていたことなのですが、

「経済学という学問」は、経済社会の現実・現象に対する理論的な裏付けはできても、

その課題解決への道筋を示すことはできないものなのでしょうか‥‥?


「動学的不整合性」とかなんとか、難しい言葉で説明されても、

コロナ禍においては、その知見や理論を活かすことは、できないのではないのでしょうか‥‥?

偉そうなことを書いてしまいましたが、

事態がちっとも好転しないことに、「もどかしい思い」を抱いている

一国民の戯言(ざれごと)だと、ご容赦ください‥‥。