「人生のおいて最も絶えがたいことは、悪天候が続くことではなく、雲一つ無い晴天が続くことである。」
スイスの哲学者、カール・ヒルティのこの言葉のように、「雲一つ無い晴天」が続いています。
しかも、もう10月だというのに、まるで「夏のような暑さ」も続いています。
さて、今月2日の朝日新聞一面コラム「折々のことば」は、G・K・チェスタトンの
「人間は、理解しえないものの力を借りることで、はじめてあらゆるものを理解することができるのだ。」
という言葉で、いつものように鷲田清一さんの、次のような解説がありました。
『思考の不調は、推論上の欠陥ではなく、各人が自分の箱の中に閉じこもり、
自分を超えたもの、にわかには理解できないものへの感受性を失うことにあると、英国の作家は言う。
思考を空転させず、事物を立体的に見たければ、
「論理の穴」を点検するより「空気抜きの穴」を開けるほうが先だと。
「正統とは何か」(安西徹雄訳)から。』
う~む、なるほど‥‥。
「論理の穴」を点検するより「空気抜きの穴」を開けるほうが先‥‥ですか。
なんとなくというか、雰囲気的に、言葉の含意が理解できるような気がします。
ちなみに、この前日は、同じG・K・チェスタトンの
「狂人とは理性を失った人ではない。狂人とは理性以外のあらゆる物を失った人である。」という言葉でした。
コラムを読んで、G・K・チェスタトンという作家の存在を初めて知りました。
これも「折々のことば」の魅力です‥‥。