しんちゃんの老いじたく日記

昭和30年生まれ。愛媛県伊予郡松前町出身の元地方公務員です。

「日蓮の手紙」から学ぶ

天気予報のとおり、今日は午前10時頃から雨が降り出し、時間の経過とともに雨脚も強くなりました。


さて、NHKテレビテキスト、100分de名著「日蓮の手紙」を読了し、

同時にテレビ番組の視聴も終えました。テキストの執筆者で番組の指南役は、

仏教思想研究家で作家の植木雅俊さんでした。


テレビテキストによると、日蓮は鎌倉新仏教の宗教者の中では抜きんでで筆まめで、

現在、真跡、写本を含めて約340通もの手紙が残っているとのことで、

番組HPで植木さんは、「日蓮の手紙の最大の魅力は、相手に応じて、文体、文章、表現を自在に変えながら、

徹底的にその人自身に寄り添うことを考え抜いているところだ」と述べられています。


テレビテキストの中で印象に残ったのは、「霊山浄土(りょうぜんじょうど)」という言葉でした。

極楽浄土のように死後の別世界ではなく、われわれが生きているいま、

この娑婆世界で体現できる世界のことで、「法華経を読誦し、実践する人のいるところが、

そのまま霊山浄土であり、その人は、そこから一歩も動くことなく、日夜そこに往来できる」、

「生存中に日々立ち還るべき生命の本源であり、死して後に還りゆくところ」との説明がありました。


う~む、なるほど‥‥。

生命(一心)が条件に応じて「生」と「死」の姿を取っている、生も死もひとつながりのもの、

という死生観には十分な説得力があると感じました。


余談ですが、テレビテキストの中に、

「いつの世もそうですが、権力者というものは、かくも民の意識の目覚めや平等の思想を嫌うのです。

悲しいことです。」という記述がありました。

まるで「どこかの国のどこかの大統領」のようです‥‥。