今日の愛媛新聞「現論」に、長谷川眞理子・総合研究大学院学長が、
『タテ社会の弊害 課題解決へ「総合知」を』という論評を寄稿されていました。
長谷川先生は、日本から新しいことがなかなか出てこないことの背景には、
タテ社会の構造があまりにも強固に存在し、
このタテのつながりだけだと思考の枠組みが広がらないとしながらも、
これを壊す概念として、「総合知」という言葉があることを紹介されていました。
「総合知」の目指すところは、「課題解決に向けて、さまざまな分野の人々が集まって
意見を交換する場の構築から出てくる結果をさすようだ」とのことで、
長谷川先生は、これに続いて次のようなことを述べられていました。
『‥‥なぜ「総合知」の必要性が強調されるかというと、地球温暖化、少子高齢化などなど、
現代の世の中の問題はみな、大変に複雑な問題であり、
ある一つの分野からのアプローチで解決できるものではない、という認識があるからだ。
それらを解決しようとすれば、問題に関係するそれぞれの分野の専門知を身に付けた人たちは必須だ。
しかし、そのような人たちが、他の分野の考えを理解し、
その問題の解決にどのように貢献できるのかについて、オープンなマインドを持っていなくてはならない。
必ずしも、複数の分野の内容をよく理解できなくてもよい。
でも、異なる分野はどんな問題意識をもって、どんなやり方で問題に取り組むのかを理解し、
リスペクトできなくてはならないだろう。
タテ社会がよくないのは、他の集団に対する興味とリスペクトがないことなのだろう。
それですむ時代は終わったのだ。』
う~む、なるほど‥‥。
故中根千枝先生が考えられた「タテ社会」は、固い岩盤のように依然として日本社会に残っているのですね。
他の集団に対する興味とリスペクトがない社会として‥‥。
ところで今日は、まだそれほど暑くない午前中に「西の海岸」に散歩に出かけました。
そこには、どこまでも青い空が広がっていました。そう、「ブルー・スカイ・ブルー」です。
太陽の日差しを遮るものがこれほど何一つなければ、猛暑になるのは当たり前なのかも‥‥。