窓を開けると、どこからか甘い香りが漂ってきます‥。
その香りの正体は、お隣の庭の大きなキンモクセイでした。


今日の愛媛新聞には、「季節外れのキンモクセイ香る」という、次のような記事が掲載されていました。
『秋の到来を告げるキンモクセイの花が、季節外れの11月に各地で色づき始めている。
今年は記録的な猛暑となり、10月に入っても平年より暑い日が続いた影響とみられる。‥‥』
今の家を建てる前の我が家の庭にもキンモクセイがありました。
キンモクセイの香りをかぐと、懐かしい記憶が走馬灯のようによみがえってきます。
「香り」と「記憶」は、密接な関係があるのかもしれません。
そういえば、「キンモクセイ」というバンドの存在を思い出しました。
大瀧詠一さん作詞作曲の「夢で逢えたら」からは、吉田美奈子さんのことをすぐ連想しますが、
彼らの唄う「夢で逢えたら」も、とても素敵な趣きがあります‥‥。
追記
谷崎潤一郎の随想「厠のいろいろ」には、次のような記述があります。
『‥‥なるほど、そう云われてみると、便所の匂いには一種のなつかしい甘い思い出が伴うものである。
たとえば久しく故郷を離れていた者が何年かぶりに我が家へ帰ってきた場合、
何よりも便所へ這入って昔嗅ぎ馴れた匂いを嗅ぐときに、幼児の記憶がこもごもよみがえって来て、
ほんとうに「我が家へ戻って来たなあ」と云う親しみが湧く。』
キンモクセイの「香り」と便所の「匂い」‥。
確かに、私にはどちらにも「甘い思い出」が伴っています‥‥。