しんちゃんの老いじたく日記

昭和30年生まれ。愛媛県伊予郡松前町出身の元地方公務員です。

現実か、観念か

今月3日のMSN産経ニュース「櫻井よしこ 美しき勁き国へ」は、
『現実に目つむる「朝日」』でした。

櫻井さんの主張は明快です。
その論評の中で、特に印象が強かった部分は、次の3箇所でした。

『「朝日新聞」の安倍政権批判ほど観念論にまみれたものはない。
 安倍政権が実現を目指す政策の中に彼らが見ているものは、
 現実の上にイデオロギーを重ねた幻想ではないだろうか。
 朝日の主張が他紙のそれと比べて突出して、観念論に埋没しているのは
 幻想の中で重ねた思考の、必然の結果であろうか。』

『「タカ派」は中国共産党習近平国家主席ではないのか。
 彼らの飽くなき軍拡と南シナ海東シナ海での現実の行動を見れば、
 「本当に問題」なのは中国ではないのか。
 「朝日」はなぜ、現実を現実のとおりに見ないのか。
 朝日は海外メディアが首相をタカ派と捉えていると、
 首相に批判の鉾先(ほこさき)を向けるが、
 そのイメージは朝日主導で形成されたのではないのか。』

安倍政権憲法改正への志、集団的自衛権の行使容認、特定秘密保護法制定
 そして靖国参拝などを非難し続ける「朝日」は、
 軍拡に血道を上げる中国の脅威をどう捉えているのか、明らかにしてほしいものだ。』

う〜ん、確かに櫻井さんのおっしゃるとおりですね。
一方、当の朝日新聞には、
同日、『国立追悼施設〜首相が決断さえすれば』という社説が掲載されていました。
その主張の要点は、次の記述だと思います。

靖国参拝はやめ、戦争で亡くなった軍人も民間人も等しく悼むための無宗教の施設を
 新設すると宣言してはどうか。
 首相は、新たな施設には「亡くなった方のご家族はお参りしないだろう」と否定的だ。
 だが、遺族も一様ではない。
 「靖国で会おう」との言葉を信じ込み非業の死を遂げたと悔やむ遺族。
 A級戦犯の前では手を合わせられない遺族。ほかの宗教を信じる遺族。
 その存在を知りながら、「英霊に尊崇の念を表すのは当然」と
 一色に塗りつぶす首相の姿勢は乱暴すぎないか。
 新たな施設に参拝するよう、遺族に強いるわけではない。
 いろいろな思いをもつ遺族や、外国の要人らに訪れてもらうための場だ。
   〜(中略)〜
 首相は新施設には「様々な意見があり、慎重に見極めたい」と語る。
 ならば「わだかまりなく追悼できる施設を」という声も真剣に検討してほしい。』

う〜ん、こちらもおっしゃるとおりで、
この提案に反対する理由を探すのは、容易でないような気がします。
ただ、この後には、
靖国神社は単なる慰霊の場とはいえない。
 軍国主義と結びついた過去を引きずる宗教施設だ。』という文章が続きます。

こういう断定的な言い方をされると、正直、腰が引けてしまいます。
これではまるで、一般の方が慰霊ために靖国神社にお参りすることさえ、
「朝日」が全否定しているみたいに聞こえます。
少なくとも、靖国神社に参拝する自由はあるはずです。

産経新聞朝日新聞を読み比べて思うのは、
世の中には様々な思想や主義・主張があるという事実です。
特定の新聞だけを読んで、
そこに書かれた記事が、世の中の真実・真理であると解釈・理解するのは、
とても危険なような…そんな思いがあります。

案外、私たちは、試されているのかもしれません。