昨日7日の朝日新聞「天声人語」を読むと、
「梅雨どきの花は白が多い」と書いてありました。
コラムでいう「白い花」とは、一つは「ドクダミ」、もう一つは「南天」で、
具体的には、次のような洗練された文章で、その「容姿」が紹介されていました。
『一輪挿(ざ)しにして眺めて、ドクダミを見直した。
濁った感じの名前に似ず、
白い十字の花と見える苞(ほう)はひっそりと清楚(せいそ)だ。
スペード形をした葉の濃緑が、白をきりりと引き立てる。
はびこるだの、けちくさいだの、雑草呼ばわりが申し訳なくなる。
白い星を散らしたように木の下闇に咲いている。
『南天といえば赤い実だが、花はいまごろ白く咲く。
といっても、枝にゴマをまぶしたように、一つひとつは小さくて地味だ。
花の盛りにも、周囲の樹木などにまぎれて、それと気づかれぬことが多い。』
このコラムを読むまで、
「梅雨どきの花は白が多い」ことに全く気が付きませんでした。
実は、我が家の庭にも、ドクダミと南天の白い花が咲いています。
ドクダミは、石塀の隙間から生えることが多く、
雑草としか見えない父は、成長するまでにすぐ抜き取ってしまいます。
ですから、今白い花を咲かせているドクダミは、
他の植物に紛れて辛うじて育ったもので、
さすがに父も、白い花の可憐な魅力には勝てないのか、
抜き取ることができずにいるようです。
そして、もう一つの南天。
コラムでは、「周囲の樹木などにまぎれて、それと気づかれぬことが多い」
と書かれていましたが、
我が家の南天は、庭のほぼ中央で、威風堂々と白い花を咲かせています。
『湿潤とともに植物は生命力をみなぎらせて、次の節気はもう夏至。
1年もほぼ半分が過ぎることになる。』
コラムが指摘するように、月日の経つのは本当に早いと思います。