今日5日の朝日新聞デジタル版・「ニュースQ3」に、
『注目集める「忖度」、霞が関では当たり前?』という、
次のような冒頭の出だしの文章で始まる記事が掲載されていました。
『学校法人「森友学園」(大阪市)はなぜ、国有地を格安で入手できたのか。
学園への国有地売却問題をめぐり、
「忖度(そんたく)」という言葉が飛び交っている。
「(役人が)忖度をしたということでしょう」。
3月23日にあった日本外国特派員協会での会見。
学園の籠池泰典氏がそう答えると、
通訳は「read between the lines(行間を読む)」と忖度を英訳した。
だが籠池氏の弁護士らとやり取りした後、
「英語で直接言い換える言葉はない」としてこう言った。「sontaku(忖度)」』
さらに、記事では、忖度の意味について次のように書かれていました。
『そもそも、忖度にはどんな意味が込められているのか。
広辞苑は「他人の心中をおしはかること」。
米ユタ大学の東照二教授(社会言語学)は「言い切らないで相手に推量させる。
あえて言葉にしなくても価値観を共有し合っていることを示すため、
忖度が良い意味で使われることもある」と説明する。
最近使われた忖度はどうか。
「側近」が意向を推察する様が「忖度政治」と称された
「NHK内で会長の考えを忖度する動きが広がる」と指摘された
NHKの籾井勝人前会長。
「権力者の意向を推量するといった悪い意味で使われる機会が増えている」と
東教授は指摘する。』
今、私は、『辞書になった男~ケンボー先生と山田先生』(佐々木健一著:文春文庫)を
読み進めていますが、この記事を読んで「忖度」の意味が気になって、
枕元にある「新明解国語辞典(第七版)」で調べてみました。
そこには、『自分なりに考えて、他人の気持ちをおしはかること。』と
書かれていました。
う~む、なるほど……。
山田先生の「新解さん」らしくない、意外とサラリとした表現でした。
でも、次の改訂版が出版されるときには、
先般の英フィナンシャル・タイムズ紙に書かれていたように、
「与えられていない命令を先取りし、穏便に従うことを指す。」と、
悪い意味に書き換えられるのがほぼ確実のような、そんな予想をしています。(苦笑)