日曜日の日経新聞「危機と日本人」は、
宗教学者山折哲雄先生の「四つの時間〜妄想とたわむれる至福」でした。
四つの時間を要約しますと、
1 「デカルトの時間」
早朝目が覚めて、雑念妄想と遊びたわむれている時間
2 「イエスの時間」
勤務先で疲労困ぱいになり、十字架を背負ってゴルゴタの丘を這っている
イエスの気分のような時間
3 「ブッダの時間」
昼食後のくだらない会議の中で、白河夜船で、夢かうつつか陶然としている時間
4 「涅槃の時間」
ベットに転がり込んで、一日を締めくくる時間
なるほど、このような時間の表現があるのですね。
自分の一日一日を振り返っても、よく理解できる表現です。
特に、2番と3番の時間は、
働いている人には誰にでも訪れる時間ではないでしょうか。
先生によると、
定年退職後は、この2番と3番の時間が消えていった。
ゴルタゴの丘をのぼるイエスの試練から自由になり、
眠り呆けるブッダへの誘惑から解放されたからだそうです。
そして、先生の場合には、ご本人の言葉によると、
妄想という至福の時間とひと様に会うという無上の喜びを
退職後の人生で獲得されているようです。
私も先生のように退職後の人生を送ることができるかな……?
ところで先生は、
・食べ過ぎない
・飲みすぎない
・人に会いすぎない
を退職後の生活の自戒とされているようですが、
この自戒の言葉は、現役時代にもぴったり当てはまるような気がします。