昨日に続き、msn産経ニュースの「正論」を取り上げたいと思います。
今日(19日)は、長谷川三千子埼玉大学名誉教授の「維新に学ぶべき日本の根さぐり」です。
長谷川先生は、「維新」を名のる会が注目を集めている背後について、
次のように鋭く指摘されています。
『本当に、わが国の直面している危機を解決してくれる者が誰もいないらしい、
といふ恐怖感を味わうのは、
われわれ日本国民にとつて戦後はじめての体験なのではあるまいか。
まさにちょうど幕末のときのように、
今や根本的な国家の建て直しが必要だという意識が
人々の心の底で共有されているのではないか。
そして、それが「維新」という言葉に敏感な反応をみせているのではなかろうか…。』
そして、私たちが維新を学ぶべきことの核心は、
『今の日本人たちは自らの根を見失っており、それが「内からの崩壊」をまねいている、
という直観である』として、次のように指摘されています。
『今のわれわれの背負う課題は、
或る意味で幕末の人々が背負っていたよりはるかに困難な課題だということがわかる。
戦後のわれわれは、そのよって立つべき国家の根を喪失したまますごしてきたのだからである。
敗戦後の復興も、経済の高度成長も、
われわれが本当に根ざすべきより処を失ったまま行われてきた。
そして、その間も「内からの崩壊」は静かに少しずつ続いてきたのである。
これを建て直すには、なによりもその喪失の自覚が不可欠である。
そしてそれを取り戻す意志の持続が不可欠である。』
長谷川先生が述べられている
「直面している危機を解決してくれるものが誰もいないらしいという恐怖感」や
「喪失の自覚が不可欠であり、その喪失した「国家の根」を取り戻す意志の持続が不可欠」
という言葉には、なんとも言えない迫力を感じました。
記事で紹介されている、「よって立つべき国家の根」の中でも、
「先人が紡いだ歴史に感謝し、個人の独立自尊の精神を育む国民教育を行うこと」
「国民が仕事と希望をつかめる、「公益経済」の仕組みを確立すること」
この二つが特に必要ではないかと、私個人としては思っています。
なお、長谷川先生の原文は、歴史的仮名遣いを使用されていますが、
引用させていただいた上記の記述は、私が勝手に現代仮名遣いにしています。ゴメンナサイ。