先週、宮城県岩沼市民会館・中央公民館の館長である
菅原 清さんの講演を聴く機会に恵まれました。
講演のテーマは、「東日本大震災に学ぶ〜避難所運営から見えてくるもの」でした。
講演当日に配布された資料には、
「宮城県岩沼市は、
死者183名、家屋被害4,214戸、被害農地1,240haの
未曾有の震災に見舞われました。」との記載があります。
菅原さんが館長を務める市民会館には、
ピーク時には約700名が避難されていましたが、
講演では、平成23年3月11日の震災当日から
同年6月5日に避難所が閉鎖されるまでの期間に起きた主要な出来事や
避難者の意見・要望・心情などについて、時系列に説明していただきました。
菅原さんは、この間の対応を自己採点すると、
「なんとか及第点がつけられる」と謙遜しながら話をされていましたが、
「及第点がつけられたポイントは、次の5点である」とおっしゃっていました。
① 避難者の我慢強さと協力心があったこと。
→ 避難者による代表者会議が大きな役割を果たした。
この会議で情報の提供と共有を行い、そして情報発信に努めたことが、
避難者の協力を得ることができた最大の要因であった。
② 共助の精神、コミュニティの保全が大事であること。
→ 「孤独」は、仮設住宅に限ったことではない。
③ 長期間にわたった関係者・関係団体の支えがあったこと。
→ 自衛隊や警察など関係機関の長期の支援は、
人員配置などの計画に組み込むことができた。
④ ボランティアの応援があったこと。
→ 歌や踊りといったボランティアによる慰問に勇気づけられた。
とりわけ、「歌」には力があることを痛感した。
⑤ 従事した職員が一生懸命対応したこと。
→ 問題が起こったら一生懸命対応することで、避難者と心が通じ合うことができた。
避難所が閉鎖になる直前の6月3日、
第5次の仮設住宅の入居が決定した避難者から、
職員に対してお礼の言葉をもらった時には
「本当にありがたかった。」と、菅原さんは声を詰まらせながら話をされましたが、
それを聞いた私も、目頭が熱くなりました。本当にお疲れ様でした。
それにしても、一つ一つの言葉に重みがある、とても内容の濃い講演でした。
菅原さんの貴重なお話を、この日記に書き残すことによって、
近い将来に起こるとされる「南海・東南海地震」に備えたいと思います。