このところ、傘が手放せない天候が続いています。
それどころか、大雨・洪水の警報・注意報が度々発令されるなど、
ここ2〜3日は、大荒れの天気になりました。
少し前まで、雨不足による渇水の心配をしていたのが、まるで嘘のようです。
そのような梅雨末期に見られる天候の中で、参議院選挙は始まりましたが、
昨日(4日)の朝日新聞「天声人語」は、
「選挙」と「紫陽花」を関連付けた、すごく粋な内容でした。
コラムの出だしは、
『もしもアジサイがこの世になかったら、梅雨時の視界は寂しいに違いない。
青く白く、あるいは紫に、七変化の妙を見せて移ろう。
鮮やかな雨の花に並んで、
自宅の近くに選挙ポスター掲示場が設えられた。』で始まり、
『ポケットに一票がある。
その一票を温めて投じれば、かすかな高揚もく。
民意と言えば漠然とするが、ほぐせば一人。
小片が集まって鞠(まり)のように咲くアジサイに、どこか似ている。』で終わります。
さらに、このコラムを粋にしていたのが、
途中で引用されていた、愛媛県松山市出身・正岡子規の俳句です。
『紫陽花(あじさい)や きのふの誠(まこと) けふの嘘(うそ)』は、
本来は、花の色の変化を心の移ろいやすさに重ねたものと思われますが、
コラムでは、
『正岡子規の句は、候補者や政党の不実のことではないが、
有権者はかねて、公約倒れに泣かされてきた』と、お見事に引用しています。
さて、「一票」といえば、
愛媛県選挙管理委員会の参議院選挙の啓発標語は、
「一票が、はじめの一歩。」です。
「一から歴史が始まる。まず、一を産め。」という
むのたけじさんの名言にあるように、何事も「はじめの一歩」が肝心です。
選挙も人生と同じです…。