msn産経ニュースの次の記事を読んでいて、
「ある箇所」に目が留まりました。
『オバマ米大統領から次期駐日大使に指名されたキャロライン・ケネディ氏が28日、
米国で黒人差別解消を求めた50年前の公民権運動の象徴
「ワシントン大行進」を記念して開かれた集会で、基調演説した。
〜(略)〜
ケネディ氏は、南部フロリダ州で昨春起きた
ヒスパニック系白人による黒人少年射殺事件に言及し、
「われわれの兄弟や姉妹が人種差別による犯罪と銃の犠牲者となっている」と指摘。
その上で、「日本の格言に“水は流れても川は残る”という言葉がある。
今度はわれわれが、人種差別をなくすという親の世代の夢をひきつぐ番だ」と、
切れ目ない努力を訴えた。』
“水は流れても川は残る”?
日本の格言に、そのような言葉はありましたっけ…?
すぐに思いつくのは、鴨長明の「方丈記」です。
『ゆく河の流れは絶えずして、しかももとの水にあらず。
よどみに浮かぶうたかたは、かつ消えかつ結びて、久しくとどまりたるためしなし。
世の中にある人とすみかと、またかくのごとし。』
ケネディさんが引用したのは、この方丈記なのかな?自信ないけど……。
日本人に広く読まれている「論語」にも、似たような記述があります。
『子、川上(せんじょう)に在りて曰はく、
逝く者は斯(か)くの如きか。昼夜を舎(す)てず。』(論語新釈:講談社学術文庫)
私の学識レベルでは、この二つしか思いつくことができません。
この記事を書かれた記者の方に、
日本の格言の出典を示していただくと、
もっと紙面の価値が高まったのではないかと思います。
「私には夢がある」
50年前の8月28日、
キング牧師がワシントンで人種差別の撤廃を訴えた、
その記念すべき演説の日に、
ケネディさんによって日本の格言が引用されたことは、
とても名誉なことだと思います。