しんちゃんの老いじたく日記

昭和30年生まれ。愛媛県伊予郡松前町出身の元地方公務員です。

情報公開の大切さ

日本銀行の木内審議委員が今月26日に、
『内外経済の展望と金融政策』と題して講演された内容が、
同銀行のHPで公表されています。

その内容を読んで認識を新たにしたのは、
日銀のコミットメント、すなわち、
2%の「物価安定の目標」の達成時期と「量的・質的金融緩和」の継続期間について、
木内委員が、4月の「量的・質的金融緩和」の導入時点から
修正議案を出し続けているという事実です。

木内委員の修正議案のポイントは、日銀コミットメントの柔軟化であり、
その内容は、
第1に、2%の「物価安定の目標」の達成時期を2年程度と限定しないこと、
第2に、「量的・質的金融緩和」の継続期間については2年程度を目途とし、
その時点で必要に応じて柔軟に見直すというものです。

また、修正議案を提出した理由として、
2%の「物価安定の目標」を2年程度の期間を念頭に置いて達成するには、
大きな不確実性があること、
そうした中、「量的・質的金融緩和」が
長期間にわたって継続するという期待が高まれば、
同措置が前例のない規模の資産買入れであるだけに、
金融面での不均衡形成などにつながる懸念があると考えたためだ、とされています。

これらの潜在的リスクを十分に認識した上でなお、
木内委員自身が「量的・質的金融緩和」の具体的な施策に賛成しているのは、
政策で生じる経済的なプラス効果の大きさが、
それに伴う潜在的なリスクないしは副作用の大きさを僅かでも上回っていると
判断しているためだと説明されています。

う〜ん、なるほど。
審議委員の中にも「貴重な」少数意見があることを知りました。
こうした少数意見についても積極的に発言・公表していくことで、
日銀への信認が高まっていくのだろうと感じました。

一国民の私がこのような事実を知り得たのも、
日銀が総裁・副総裁をはじめ、審議委員の講演内容を速やかに公表しているほか、
金融政策決定会合の議事要旨についても、約一か月遅れで発表しているからです。

話は変わりますが、同じ26日の夜、
特定秘密保護法案が、衆院本会議で
自民、公明、皆の党などの賛成多数で可決されました。

「国家の特定秘密の保護」と「国民の知る権利」
どちらも大切なことは理解できます。
懸念されているのが、「法律の恣意的な運用」であるとするならば、
政府・与党は、その懸念の払しょくに全力を注ぐべきで、
法案の審議過程などの積極的な情報公開は、その有力手段の一つになると思います。