今日からシルバーウイークの5連休です。
その初日はよく晴れて、気持ちの良い一日となりました。
しかし、先日の集中豪雨の被災地では、
後片付けなとで大変なご苦労をされていることと拝察いたします。
一日も早い復旧と復興をお祈りします。
さて、集団的自衛権の行使を限定的に容認する安全保障関連法が、
本日(19日)未明の参院本会議で、与党などの賛成多数で可決・成立しました。
国会の議論は、この本案が「憲法違反かどうか」が、
いつの間にか主要な争点になってしまったように思います。
私はどうかというと、
最近、細谷雄一・慶応大学教授の
「国際秩序」や「歴史認識とは何か」を読んだ影響もあって、
日本を取り巻く厳しい外交・安全保障環境のもとで、
この法案が憲法解釈という「入口部分」で与野党の議論がかみ合わず、
また、対案も示されないまま審議が一向に進展しないことに、
若干の違和感を持っていました。
そうしたモヤモヤとした気持ちが、
今月17日の産経新聞「正論」に掲載された佐伯啓思・京大名誉教授の
『国家の存立縛る憲法学への疑問』という論評を読んで、
幾分和らいだように感じているところです。
佐伯教授の主要な主張は、次のようなものでした。
・国家の安全保障というような、国の存立の根底にかかわるような問題については、
憲法(法規範)と政治とを整然と区別することは困難であり、
無条件で憲法が優位に立つ、というわけではない。
ある種の政治的課題について、
憲法の立場からこれを縛ることがまた政治的行為になってしまう。
・平和の希求もよい。侵略戦争の放棄もよい。
しかし、9条はそれ以上のことをいっている。
特に2項のいっさいの戦力不保持は、それ自体が国家の安全保障に関わるもので、
国家の政策を予め縛ってしまうのである。
・憲法が人々の生命、財産を守る国家の安全保障と矛盾するようでは、
基本的人権を保障する憲法の基本的な意義にも抵触するであろう。
国の安全保障をどうするかを同時に論じなければならない。
佐伯教授は、『憲法学者にアンケートをとるならば
そしてさらにはこの憲法下での日本の防衛のありかた、について聞きたい。』
と述べられていました。
私も、「世界の中の日本」の位置づけについて、是非お聞きしてみたいです。