しんちゃんの老いじたく日記

昭和30年生まれ。愛媛県伊予郡松前町出身の元地方公務員です。

万華鏡のような作品

今日は、穏やかな晴天でした。
立春が過ぎ、明らかに日差しが春めいてきたことを感じます。

さて、NHKテレビテキストの
フランケンシュタイン〜メアリ・シェリー』を読了しました。

このテキストを読むまで、
フランケンシュタインは怪物の名前だと思っていました。

本当は、人間の怪物を組み立てて生命を与えた人物の名前であること、
この物語の作者が19歳のイギリス人女性作家であったこと、
いずれもテキストを読むまで知りませんでした。

もっと驚いたことは、
怪物が言葉を話せるばかりか、人並み以上の知性や教養を具えていたことです。

テキストの解説者である廣野由美子・京都大学大学院教授によると、
怪物は、たまたま森で拾った鞄の中にあった
ブルタゴスの「英雄伝」やゲーテの「若きウェルテルの悩み」、
ミルトンの「失楽園」を熱心に読み、
自分なりの解釈をして、知識と思考能力を高めていったとのことでした。

そして、廣野教授はこの作品は「見る」のではなく「読む」作品だとして、
次のように述べられています。

『怪物のビジュアルがもつ強烈なイメージから、
 「フランケンシュタイン」という作品を開放することは、
 容易ではないかもしれません。

 しかし、決して暗く陰惨で恐ろしいという、
 負の一側面しか持たない作品ではないことは、
 理解していただけたのではないかと思います。

 そこには、真っ暗闇の世界だけではなく、
 きらきらと光り輝く世界も描かれています。
 生命とは何かを問いかける「生命賛歌」の作品でもあります。』

う〜ん、次第に原作への興味がわいてきました。
廣野教授は、「万華鏡のような作品」だとも書かれていました。
一度、原作を読んでみる価値がありそうです。

メアリ・シェリー『フランケンシュタイン』 2015年2月 (100分 de 名著)

メアリ・シェリー『フランケンシュタイン』 2015年2月 (100分 de 名著)