しんちゃんの老いじたく日記

昭和30年生まれ。愛媛県伊予郡松前町出身の元地方公務員です。

出口はどこに

最近の自分の日記を読み返してみると、「新型コロナウイルス」の話題ばかりです。

それだけ「見えない恐怖」に、日々怯えている自分を自覚しつつ、

自分を取り巻く世の中の動きはどうだったのか、自分はどんな気持ちを抱いていたのかを、

記録・記憶しておくことぐらいしか、自分にはできないのではないかとも思っています。

そして今日も、その話題に関連する日記となりました。


今月9日の朝日新聞オピニオン欄「耕論」は、

「出口はどこに 新型コロナ」というタイトルで、

3人の有識者の方がそれぞれのお考え寄稿されていました。

東京財団政策研究所、研究主幹の小林慶一郎さん、

BNPパリバ証券グローバルマーケット統括本部副会長の中空麻奈さん、

法政大学教授の水野和夫さんの3人の論評の中で、

私がもっとも印象に残ったのは、水野さんの次のようなお考えです。


『‥‥日本は、韓国・台湾・豪州・ニュージーランドと経済的連携を強め、

 ブロック化していくべきです。

 韓国と台湾から工業製品を、豪州やニュージーランドから農産物を調達し、

 サプライチェーンを縮小する。

 つまり、人・モノ・カネの流れを限定した地域内で経済を回していくのです。

 韓国・台湾・豪州・ニュージーランドは、いずれもコロナ対策で成功しました。

 新たな感染症が起きた時、日本と協力して防疫対策をとれるようにする。

 次のウイルスの脅威に備える体制の構築こそが出口戦略のあるべき姿です。

 安倍晋三首相は、コロナ前のグローバル資本主義や成長路線に戻せる

 と思っているように見受けられます。

 しかし、日本経済の最大の問題は供給過剰にあります。

 空き家が増えているのに新築住宅を建て続け、食品や衣服もつくりすぎでロスが出ている。

 もう無理な経済成長よりも、ムダをなくして、労働時間を減らすほうを優先すべきです。

 戦後の日本政府は、池田勇人のように「所得の少ない人は麦飯を」と国民に我慢を強いましたが、

 見返りに所得倍増で報いました。

 今回も、自粛や「新しい生活様式」という名の我慢を国民に強いています。

 高度成長期のように我慢の先にいいことがあるならともかく、

 グローバル資本主義に戻ろうとするのは愚の骨頂です。

 「出口戦略」という名の下に、国民に我慢を求め続けるのはやめるべきです。』


はぃ‥、「経済的連携とそのブロック化」には若干の違和感がありますが、

そのほかの点については、説得力のあるご指摘だと思います。

また一方、小林さんが述べられている

『「経済よりも人命の方が大事だ」という考え方は理解できます。

しかし、「経済が人命を左右する」という事実も忘れてはなりません。』

というご指摘もおっしゃるとおりで、ズシリと胸に響くものがあります。


3人のお考えを読んで、

すべての人が納得する「出口戦略」を見つけ出すのは、至難の業だと思った次第です。