しんちゃんの老いじたく日記

昭和30年生まれ。愛媛県伊予郡松前町出身の元地方公務員です。

「働き方改革」を考える

今日の「Yahoo!ニュース」を閲覧していると、中国新聞デジタル版の

『窓口で十数年、職場での呼び名は「嘱託さん」~非正規公務員の嘆き』

というタイトルの記事に目が留まりました。

そこには次のようなことが書いてあり、読後には言い知れぬ「後味の悪さ」を感じた次第です。


・「嘱託さん」。それが職場での呼び名だ。

 広島県内の40代の女性は、離婚後に役所の窓口で働き始めて十数年。

 嘱託職員の私の名前を、同僚の何人が知っているんだろう。

 「何のリスペクトもない。自己肯定感は地に落ちてます」とため息をつく。


・現場に寄せられた声を基に業務の見直しを提案しても

 「嘱託さんはそこまでやらなくていい」とすげなく言われる。

 生活苦を訴える人のために支援制度を調べようとしたら「窓口は聞かれたことだけ答えて」。

 創意工夫は求められない。


・同僚からは「誰でもできる受付係」と軽んじられている気がする。

 「頭を使わない仕事でいいね」「試験に合格した公務員と、非正規では待遇が違って当然」と、

 平然と言い放つ正職員もいる。


・1日6時間の勤務は濃密だ。窓口と電話対応、書類仕事をこなし、新人のフォローもする。

 その対価は、手取り月12万円ほど。正職員の3分の1しかない。

 十数年たつのに昇給もほとんどない。「ただの事務補助に『経験値加算』は要らないだろ」。

 かつて正職員から投げつけられた言葉が忘れられない。


この記事を読んで、現役の頃を思い出しました。

私が勤務した地方自治体には、「22条職員」と呼ばれる臨時職員が職場に1~2人いらしたのですが、

現役時代に一緒に仕事をした方は、皆さんとても優秀でした。

でも、いくら仕事が優秀でも、長くても3年で退職という制度になっていました。

今は「会計年度職員」という制度になって、いくらか待遇が改善されたように聞き及んでいます。


記事によると、国や地方自治体の公務員の5人に1人は非正規で働いているとか‥‥。

得難い貴重な人材を、効率化や経費削減のための「コスト」ではなく、

その経験とスキルを「アセット」として、評価と待遇を見直さない限り、

本当の意味での「働き方改革」は、到底実現できないような気がします。