しんちゃんの老いじたく日記

昭和30年生まれ。愛媛県伊予郡松前町出身の元地方公務員です。

風に立つライオン

来週28日の「仕事納め」をお休みするため、私は明日から年末年始の休暇となります。

コロナ禍の今年、なんとか大過なく一年を過ごせたことに、感謝したいと思います。

さて、今日の日経新聞一面コラム「春秋」は、心に残る内容でした。

その全文を次のように引用させていただきます。


さだまさしさんの代表曲の一つに、「風に立つライオン」がある。

 ケニアで医療活動にあたった実在の医師をモデルにした作品だ。

 この曲を聴いたことがきっかけで医師を志し、海外での医療支援の道へ進んだ人も少なくないという。

 歌が持つ力の大きさを感じさせる。

 一斉に翔(と)び発(た)つ100万羽のフラミンゴ、キリマンジャロの白い雪‥‥。

 そんな情景が、日本に残した恋人への手紙の形で綴(つづ)られる。

 くすりと笑ってしまう一節もある。

 「こんな処(ところ)にもサンタクロースはやって来ます 去年は僕でした」。

 手作りの衣装を身にまとい、診療所で子どもたちにプレゼントを配ったのであろう。

 アフリカの子どもたちの多くはクリスマスを知らないかもしれない。

 だが目の前に、設備も医薬品も満足にない中、懸命に治療に取り組む人たちがいる。

 そんな医師たちの姿こそまさにサンタクロースそのものだったことだろう。

 コロナ禍に見舞われて以降の私たちもまた、医療関係者にこうした気持ちを抱く年となった。

 日本看護協会が公表したアンケート調査の結果に驚く。

 看護師や准看護師の2割が「心ない言葉を言われた」「子どもが保育園への登園を断られた」

 などの差別・偏見を経験していた。

 看護師らが職場を去った医療機関は15%にのぼる。

 使命感や善意だけに頼っていては、サンタは本当にお話の中にしか存在できなくなる。』


風に立つライオン」は映画館で観ました。

 スクリーンから流れてくる、さだまさしさんの歌声に涙を流したことを、

 今日のコラムを読んで思い出しました。

 そして、コラムで語られている看護師といえば、

 今月10日付け声明「日本看護管理学会より国民の皆さまへ」を、おくればせながら拝読しました。


『国民の皆さんにお願いいたします。

 ・皆様には、ご自分の健康と医療現場を守るため、なお一層の慎重な活動をしていただきたい。

 ・医療専門職として、感染予防には留意しております。私たちを偏見の目で見ることはやめていただきたい。

 ・また、もしも一旦仕事から離れている私たちの仲間が、看護の仕事に戻ってこようと思うときには、

  周囲の方にはぜひご理解いただき、この窮状を救う意志のあるナースを温かく送り出していただきたい。

 ナースは、コロナウイルス感染患者の最後の砦です。ご協力をお願いします。』


「僕は風に向かって立つライオンでありたい」‥‥。

 厳しい医療現場で働く看護師の皆さんは、きっと、この「風に立つライオン」の主人公のように、

 高い「志」をお持ちなって、日々の過酷な業務に精励されているのだと拝察します。

 私も、この年末年始は、「慎重な活動」を心がけたいと思います。それぐらいしかできませんが‥‥。