しんちゃんの老いじたく日記

昭和30年生まれ。愛媛県伊予郡松前町出身の元地方公務員です。

ノスタルジアは私たちの錨(いかり)

昨日の日経新聞一面コラム「春秋」は、次のような内容のコラムでした。

その全文を引用させていただき、この日記に書き残しておこうと思います。


『捨てられない性分ゆえ、1年の整理を迫られる師走がくると憂鬱になる。

 先日、古本を片付けていたら入社した1989年の米ライフ誌が出てきて読み返した。

 特集のテーマは「守るに値する101のもの」。編集者が主観で選んだという身近で大事なもののリストだ。

 個人経営の本屋、家族でのピクニック、続編なしの映画、手紙を書くこと、未舗装の道路、

 宅配される牛乳等々。単なるものというより懐かしい記憶を呼び覚ます日常の風景が並ぶ。

 ダイヤル式の電話のように、その後ほぼ消え去った品もあれば、逆に復活したLPレコードもある。

 さて自分なら何を選ぶかと考えてみた。

 歌謡曲、すし職人、紙の時刻表、小銭のやりとり、居酒屋で知り合った人との雑談、特に議題のない会議‥。

 いくつかは現代に必須のデジタル化や効率化、コロナ禍で広まった非接触の流れにも反する。

 百も承知で残したいと願うのは、時代遅れの未練にすぎないのか。

 ライフ編集者はこんな風に救いの手をさし伸べる。

 「ノスタルジアは私たちの錨(いかり)である」。

 英文の難解な比喩をあえて超訳するならば「郷愁こそが、私たちをこの世界につなぎ留めている」だろうか。

 かけがえのない、失ってはいけないものがあるという感覚は、人を優しく謙虚にする。

 そう勝手に解釈してうなずく。手つかずのことどもを前に今年も残り2週間になった。』


はぃ、この手のコラムが、私のもっともお気に入りのコラムです。心の琴線に触れる‥‥。

では、私にとって、「守るに値するもの」とはなにか‥?


フォーク&ニューミュージック、茶色く色褪せた愛読書、西の海岸に沈む夕陽、母の故郷・双海町

カラオケ、名言と箴言加山雄三さんのCD、親しい人との会話・団らん、よく通う書店、

阪神タイガースラグビー、母校、この日記を書くこと‥‥。

とても101まで思いつきませんが、「かけがえのない、失ってはいけないもの」を大切にしたいと、

このコラムを読んでそう思いました。


さっそく、「ノスタルジアは私たちの錨(いかり)である」という名言を、

Google Keep」の名言集のフォルダに加えておこうと思います。