今日の日経新聞一面コラム「春秋」は、北京冬季五輪に関してのコラムでした。
その全文を次のとおり引用させていただきます。
『「ぼくが魔物だったかもしれないです」。こんな受け答え、なかなかできまい。
北京冬季五輪のスキーのジャンプ男子個人ノーマルヒルで、金メダルに輝いた小林陵侑選手だ。
競技後、五輪にすむ魔物についての質問に、こう切り返したそうだ。自負と歓喜があふれる。
ジャンプの個人種目では24年ぶりの栄冠。くしくも半世紀前、札幌五輪の70メートル級で
日本が金銀銅を独占したのと同じ日、同じ曜日だったという。
小学生で出身県の育成事業に選ばれ、
ラグビーやレスリングでも「世界に通用する」と称されたスーパーキッズは、
才におごらぬ努力と研さんの末、世界の頂点へと上りつめた。
一方「金メダル候補といっていただいた中で‥‥申し訳ない気持ちでいっぱい」と涙したのは
女子モーグルの川村あんり選手。17歳は5位の成績をわびたが、目にした多くの人が
「そんなことはない」とかぶりを振ったことだろう。「諦めなければ夢はかなうと伝えたい」。
自らに言い聞かせるように次なる飛躍を誓った。
アスリートらの言葉が響くのは、高みへの鍛錬が一句一句を磨くからだろう。「絶対勝ちたい」。
そう明言し、フィギュアスケート男子で94年ぶりの3連覇を狙う羽生結弦選手もきょう登場する。
五輪には確かに魔物が潜む。だが、重圧に正面から挑んだ者のみが語れる珠玉のひと言もやはりある。
心に刻み、糧としたい。』
はぃ、やっぱり私は、この手の論調のコラムに滅法弱いのです。読んでいて目頭が熱くなります。
ところで、このコラムに書かれている羽生選手は、
「フィギアスケート・SP」で得点を伸ばせず、まさかの8位となりました。
別の演技者がリンクに残した穴のため、冒頭の4回転サルコーが無得点となったことが響いたみたいです。
「「氷に引っかからないように。一日一善だけじゃなくて、
本当に“一日十善”ぐらいしなきゃいけないのかなってちょっと思っていますけど。」‥‥。
演技後に語ったこの言葉も、「珠玉のひと言」なのかもしれません。
羽生選手には、まだ「フリー」があります‥‥。