朝から降っていた雨は、昼過ぎには雨脚が強くなりました。
久しぶりにまとまった雨が降ったので、庭の花木にとっては恵みの雨になったと感じます。
『雨のことば辞典』(倉嶋厚、原田稔編著:講談社学術文庫)を紐解いてみると、
「春の雨」という言葉があり、次のような解説がありました。
『春しとしとと静かに降りかかる雨。
初春・仲春・晩春の三春にわたって降る雨の総括的な呼び名という。
ごく一般的な名詞であり、ありふれているが、春の雨というだけで心が浮き立つ。‥‥
‥‥春の雨の静音を聞きながら、しみじみとした時の流れに身を任せるのもよいものだ。
「不性(ぶしやう)さやかき起こされし春の雨」(松尾芭蕉)』
さらに、ネットで検索してみると、三春のうち「晩春」とは、
「清明から立夏の前日までで、ちょうど4月ごろを指す」という解説をみつけました。
なるほど、「春の雨」には趣があること知って、ひとつ勉強になりました。
ただ、今日もこの雨のなか、タクシーを呼んで、父を病院に連れて行きました。
「しみじみとした時の流れに身を任せる」という境地には、なかなか達することができません。