しんちゃんの老いじたく日記

昭和30年生まれ。愛媛県伊予郡松前町出身の元地方公務員です。

旅立つ求道者

今日の日経新聞一面コラム「春秋」と愛媛新聞一面コラム「地軸」は、

どちらも坂本龍一さんの逝去を悼む内容でした。

そのコラムを締めくくるのは、それぞれ次のような文章でした。


『‥‥中学時代からデカルトの「方法序説」を手に取るなど哲学にも親しみ、環境や平和問題に取り組んだ。

 知的な雰囲気には「教授」という愛称がよく似合った。

 病と闘いながら創作を続け、アルバム「12」を発表したばかりだった。

 多くの曲は「一筆書き」のように一気にできあがったという。

 抑揚をおさえた旋律と、無駄をそぎ落とした音が生む美しい緊張感。

 音楽とともに歩んだ人生で得た境地だろうか。

 旅立つ求道者の魂に触れたかのように、深い余韻が聴くものの心に残る。』(春秋)


『‥‥2007年に森林保全団体を設立して、高知など各地で森づくりにも取り組む。

 先月には、東京・明治神宮外苑の再開発に反対の声を上げた。

 こうした運動は「行きかがり上」と謙遜していたが、

 幅広い見識を持ち、表現者としての責任感は人一倍だった。

 好んだ言葉は「芸術は長く、人生は短し」という。

 その通り、音楽の新たな地平を切り開けながら駆け抜けた71年の生涯だった。』(地軸)


いずれも故人の卓越した業績を称える、気持ちのこもった内容でしたが、

さて、深い余韻が読むものの心に残ったのは、どちらのコラムでしょう‥‥?


追記

今日は孫娘と、大勢の花見客で賑わう松前公園を散歩してきました。