しんちゃんの老いじたく日記

昭和30年生まれ。愛媛県伊予郡松前町出身の元地方公務員です。

「君主論」の教訓

今日は湿度が高く、蒸し暑い一日となり、午後5時頃からは激しい風雨となりました。

辺り一面、日が暮れたように薄暗くなっています‥。


さて、今日の日経新聞「Deep Insight」は、

「ロシア反乱、中国の悪夢 習氏が恐れるプーチン氏の末路」というタイトルの記事でしたが、

その冒頭には、次のようなことが書かれていました。


マキャベリは約500年前に「君主論」を著し、

 指導者は愛されるよりも、恐れられるほうが望ましいと説いた。

 プーチン・ロシア大統領は、この古典の信奉者とされる。

 だが、彼が熟読すべきなのは、同書の次の教えだ。

 「傭兵(ようへい)は役に立たず、危険だ。団結力がなく、権力に飢え、規律がなく、不誠実である」

 ロシアの軍事会社ワグネルによる反乱は、いったん鎮まった。

 だが、これは正常化への一歩ではなく、混乱の序曲だろう。‥‥』


この文章を読んで、塩野七生さんの「マキアヴェッリ語録」を読み返し、

該当箇所を探してみたところ、次のような記述がありました。

『金銭で傭うことによって成り立つ傭兵制度が、なぜ役立たないか、の問題だが、

 その理由は、この種の兵士たちを掌握できる基盤が、支払われる給金以外にないというところにある。

 これでは、彼らの忠誠を期待するには少なすぎる。

 彼らがその程度のことで、傭い主のために死までいとわないほど働くと期待するほうが、甘いのだ。

 だから、指揮官に心酔し、その下で敵に勇敢に立ち向かうほどの敢闘精神は、

 自国の兵士にしか期待できない。

 いかなる政体をもつ国家であろうと、それゆえ、国家を維持していこうと望む者は、

 自国民を武装させ、自国民による軍隊を持たなければならない。

 これは、歴史上、力を使って大きな成果をあげたすべての人に、共通してみられる特色である。』


先日視聴したNHKスペシャルでは、たしか、26ものロシアの民間軍事会社の戦闘員が、

戦いの最前線に配置されているとのことでした。

君主論」の信奉者とされるプーチン大統領は、

マキアヴェッリのこの「教え」を、読んでいるのでしょうか?

ちなみに、さきほどの「マキアヴェッリ語録」には、次のような教訓もありました。

『一軍の指導者は、一人であるべきである。』

『一個人の力量に頼っているだけの国家の命は、短い。』‥‥。