しんちゃんの老いじたく日記

昭和30年生まれ。愛媛県伊予郡松前町出身の元地方公務員です。

「国際社会の責務」を考える

ロシアが隣国ウクライナに侵攻して、今日で1カ月となりました。

愛媛新聞には、細谷雄一・慶応大学教授が、

「19世紀逆戻り許すな~国際社会結束し阻止を」というタイトルの論評を寄稿されていました。


プーチン大統領は「19世紀型の戦争」を続け、時計の針を200年前に戻そうとしている。

 20世紀における歴史の進歩が破壊されようとしており、国際社会は結束して阻止しなければならない。‥‥

 ‥‥このように、人類は20世紀、戦争の違法化を進め、

 国の大小にかかわらず主権を尊重するというルールを確立した。

 ウクライナ危機を通じ、この二つが壊れてしまえば、次の100年は力がものを言い、

 小国の権利が顧みられない時代に入っていく。

 国連や北大西洋条約機構NATO)、欧州連合(EU)、先進7カ国(G7)らのリーダーらが

 声をそろえてロシアを非難しているのはこのためだ。

 戦争と大国支配の時代に逆戻りすることを一丸となって阻止しようとしているのである。

 こうした世界の到来は、憲法9条を持つ平和国家日本にとって最も好ましくない。

 国際法の体系が無力化すれば、中国が沖縄県尖閣諸島の現状を一方的に変更したり、

 日本が反発して紛争に発展したりする事態を招きかねない。

 人類が営々と築き上げてきた国際秩序が21世紀になって壊れるかもしれない。

 その危機感を共有し、阻止するのが日本を含む国際社会の責務であり、

 今の私たちに問われている課題である。』


細谷教授によると、19世紀型の戦争には二つの特徴があるそうです。

一つは法的側面で、プロイセン軍事学者クラウゼビッツが古典「戦争論」で指摘したように、

当時の戦争は「政治の延長」と捉えられ、政治目的を達成するための武力行使が容認されたこと。

もう一つは、大国主義で、当時の国際政治は大国間協調に基づいており、

大国が小国の運命を決めるのが常だったこと。


う~む、なるほど‥‥。

プーチン大統領は、こうした「19世紀型の戦争」をウクライナで続けているのですね。

「時計の針を200年前に戻そうとしている」という意味がよく分かりました。

「戦争の違法化」と「小国の主権の尊重」というルール。

国際社会で守るべき「ルール」と「価値観」が理解できたように思います。