今日から二十四節気の「白露」となりました。
「朝夕の心地よい涼風に、幾分の肌寒さを感じさせる冷風が混じり始める」頃とされていますが、
今日は冷風どころか、湿気を伴った熱風が吹いていました。
ただ、朝方には涼しさも感じられるようになり、寝苦しい夜からは解放されつつあります。
さて、昨日の続きです‥。
9月1日(金)の朝日新聞一面コラム「折々のことば」は、中谷宇吉郎の
「政治には科学は役立たなくても、政治家に科学的訓練を与えることは、役に立つ」という「ことば」で、
いつものように鷲田清一さんの、次のような解説がありました。
『科学を学んで得られる大切なものは科学的な考え方ができるようになることだと、物理学者は言う。
不偏不党の観察、粘り強い思考、冷静な推論など、
政治の判断に必要な能力も科学によって鍛錬するのが早道だと。
そういえば博士号も特定専門領域の知識の保有証明ではなく、科学的思考の熟達への称号なのだろう。
知識不足はそれ以前の問題。随筆集「科学と人生」から。』
う~む、なるほど‥‥。博士号は「科学的思考の熟達への称号」なのですか‥。
そういえば先日、日経新聞電子版に、
「日本で博士人材の不足が目立つ。企業で活躍できる環境が整わず、
博士課程の入学者数は過去20年でおよそ2割減った。」という記事が掲載されていました。
少子化の要因に加え、博士人材が企業などに就職しても高度な技術や知見を発揮できる環境や待遇が不十分で、
若者らが進学先として選択しにくい実態があるそうです。
「科学的思考の熟達への称号」が、技術立国を支える産業界でこそ活かされることを願っています‥‥。