しんちゃんの老いじたく日記

昭和30年生まれ。愛媛県伊予郡松前町出身の元地方公務員です。

寝苦しい夜の予感

私が毎日寝ている一階和室の、今現在の気温は27℃です。

とても蒸し暑く、体感温度はそれ以上に感じ、不快指数が極限まで達しているように思います。

それもそのはず、今は二十四節気の「小暑」で、七十二候では「温風至(あつかぜいたる)」でした。


「暮らし歳時記」のHPには、

『熱い風が吹き始める頃。温風は梅雨明けの頃に吹く南風のこと。日に日に暑さが増します。』

という解説がありました。


冬の寒さにも夏の暑さにも弱い私には、過酷な季節となりました‥‥。

とりわけ今夜は、「温風(あつかぜ)」のおかげで寝苦しい夜になりそうです。

皆さんも、お身体、くれぐれもご自愛くださいませ‥‥。

耳が痛い言葉

昨日9日の朝日新聞一面コラム「折々のことば」は、ファッションデザイナー、堀畑裕之さんの

『「始末」とは、文字通り「始まり」と「終わり」のことである。

 それは物の始まりと終わりに、自分が生活の中で責任をもつことだ。』という言葉で、

いつものように鷲田清一さんの、次のような解説がありました。


『日本の衣服はほとんどが外国製。素材の自給率はほぼゼロ%。

 買値よりクリーニング代の方が高いからと、新しい服に買い替えるような文化は異様だと、

 ファッションデザイナーは言う。

 自ら糸を紡ぎ、織り、縫い、ぼろになったら雑巾にしたり、裂いてよこ糸にしたり、

 「大切に使い切る」ことからやり直したいと。「言葉の服」から。』


う~む、なるほど‥‥。

「始末」という言葉の持つ意味について、これまで深く考えたことがありませんでしたが、

『物の「始まり」と「終わり」のこと』だったのですね‥‥。


そして、鷲田さんの解説を読んで、

特にダウンジャケットなどは、クリーニングに出すよりも、ユニクロで買う方が安い場合もあるので、

私も着る物をあまり大切にせずに、安易に買い替えてきたように思いました。

また、そういえば子どもの頃、母は、破れた私と弟の服を何度も縫い直し、

最後は雑巾などにして再利用していたことを思い出しました。


「物の始まりと終わりに、自分が生活の中で責任をもつ」と「大切に使い切る」。

この二つは今の私にとって、とても「耳が痛い言葉」でした。

二つの選択肢

今日の朝日新聞デジタル版「耕論」は、『嫌われ者の消費税』というタイトルの記事でした。

「過去には増税にかかわった政権の多くが選挙で敗北している。なぜ消費税は、こんなに嫌われるのか。」

という問い掛けに対して、いつものように3人の有識者の方が回答されていましたが、

そのなかでも、 野口悠紀雄早稲田大学ビジネス・ファイナンス研究センター顧問の、

次のような発言が勉強になりました。ほぼ全文を引用させていただきます。


『戦後の日本の税制や財政構造は、戦時中につくられた「1940年体制」を引き継いでいます。

 消費税が選挙で「鬼門」になってしまうのは、日本人の意識と社会構造が、

 いまだに1940年体制のままだからです。

 戦前の日本の税制は、直接税ではなく間接税が中心で、欧州型に近かったと言えます。

 しかし、1940年体制では直接税、特に所得税法人税が中心で、所得税源泉徴収も導入しました。

 戦争遂行のために、歳入を確保する必要があったからです。

 歳出面では、社会保障が想定されていませんでした。

 勤めている企業が一生を保証するという発想だったのです。

 その財政構造は、高度成長期の60年代までは機能しましたが、徐々に社会保障への要求が強まってきます。

 政府は「福祉元年」といわれた73年ごろから、財政構造を「福祉型」へと転換させました。

 歳出面では年金や医療など社会保障費が巨大化し、

 税制では消費税など間接税の比重を高めようとしたのです。

 それにもかかわらず、日本社会の構造も、人々の考え方も、変わりませんでした。

 消費税と年金に代表される福祉型の財政構造は、日本人のメンタリティーに合わないのかもしれません。

 だから常に選挙の「鬼門」になるのです。

    ~ (中略) ~

 これからの日本には、二つの選択肢があります。

 一つは、消費税率をこれ以上引き上げずに、

 定年延長や、健康が許す限り働き続けることで老後の保障を実現する方法。

 いわば1940年体制を維持するやり方です。

 もう一つは、消費税を北欧諸国なみに引き上げ、社会保障で一生の面倒を見る福祉国家をつくる。

 つまり、1940年体制からの脱却です。

 この二つのどちらを採るのかという根本的な議論はされてきませんでした。

 本来なら2千万円問題を契機に、参院選でその議論をすべきなのですが、

 与党も野党も見当外れの議論しかしていません。一方で、国民は現実を冷静に見ていると思います。

 6月にネットでアンケートをしたのですが、「金融庁の報告書をどう評価しますか」という問いに、

 8割近くが「老後資金に関する適切な注意だ」と答えた。

 年金だけで生活できないことは多くの人が理解しています。

 そうした国民の健全な感覚を政治に反映させることができれば、

 戦後の日本を縛ってきた1940年体制から脱し、

 消費税と年金が鬼門でなくなる日がくるかもしれません。』


う~む、「二つの選択肢」ですか‥‥。難しい選択だと思います。

私としては、気力と体力に自信がないので、長く働き続けるのは無理だと思うし、

かといつて、消費税が欧米並みになると、老後の生活がますます苦しくなりそうだし‥‥。

できれば、福沢諭吉の「国を支えて国を頼らず」の思想・精神を身に着けたいけれど、

現実は厳しいものがあります‥‥。

「去り際」の大切さを学ぶ

今日の日経新聞に掲載された

『「独りの最期」を清算~相続財産管理人の選任2万人突破 遺言なき故人に敬意』

というタイトルの記事を読んで、いくつか考えることがありました。

その記事には、次のようなことが書かれていました。


『遺言がなく、法定相続人もいない故人の財産を清算する人々がいる。相続財産管理人。

 最高裁によると、選任数は2017年に2万人を突破し、

 少子高齢化や50歳時未婚率の上昇が続く社会で存在感を増している。

 残された遺品や財産はどのように処分されるのか。「独りの最期」に寄り添う清算の現場を取材した。

  ~ (中略) ~

 相続財産管理人は、債権者や自治体などの申し立てを受けた家庭裁判所から選任される。

 官報などを通じて相続人を探し債権者への返済や特別縁故者への分与を進め、

 残った財産を国庫に引き継ぐ仕事だ。受任実績などを基に弁護士や司法書士などが選ばれる。

  ~ (中略) ~

 男性弁護士が過去に担当した案件では、家主が去った家に物が散乱し、

 万年床が敷かれたままのことも珍しくないが、例外もある。

 都内で亡くなった60代男性は「『終活』が完璧だった」。

 自宅には数字が書かれた箱が整然と置かれ、「印鑑は何番」「通帳は何番」

 「死後に連絡を取ってほしい人」などと記されたメモが残っていた。

 男性は若い頃に東北地方から上京。仕事一筋で独身だった。

 墓の準備まで済ませていたが遺言状だけがなかった。

  ~ (中略) ~

 家族に見守られ、静かに人生を閉じる臨終のイメージは今、大きく揺らいでいる。

 清算の現場からは去り際の身支度の大切さが伝わってきた。』


う~む、なるほど‥‥。

まず、「臨終のイメージ」について、私が臨終に立ち会ったのは、

小学4年生の時に、実家で眠るように亡くなった曾祖母、このたった一度の体験だけです。

それ以降、急死した母をはじめ、身近な親族の臨終に立ち会えることはありませんでした。

「家族に見守られて静かに人生を閉じる」のは、今ではとても難しいことなのだと思います。


もう一つ、「去り際の身支度の大切さ」について、

私はエンディングノートを数年前に購入して、たくさんある記入事項を埋めることに挑戦しましたが、

いつの間にかそのノートも、本と同じように「積読状態」になっています。

今日の記事を読んで、もう一度真剣に「終活」に取り組む必要があることを痛感しました。

人生の「去り際」を汚さないためにも‥‥。

疲労困ぱいの3日間

7月4日、木曜日の朝から、父が排便障害になりました。

本人は便秘の自覚症状があるのに、下痢便が続くという、便失禁のような状態です。

その日は、慌てて二つの病院を掛け持ちで受診したのですが、

診察待ち時間の間、多目的トイレを父が独占使用するような状況でした。

帰宅後の自宅では、深夜まで下痢便の症状が続き、頻繁に紙おむつを取り替える作業に追われ、

翌日以降も、おかゆの食事を作ったり、汚れたトイレを掃除したり、汚れたシーツを洗濯したりと、

昨日までの3日間だけで、妻も私もクタクタになってしまいました。

特に私は、慣れない介護で、腰も膝もガクガクです‥‥。(トホホ)

ただ精神的には、今日になって、ようやくこの日記が書けるだけの落ち着きを取り戻した次第です。


さて、話は変わりますが、今日は二十四節気の「小暑」の節入り日です。

『梅雨明けが近く、本格的な暑さが始まる頃。集中豪雨のシーズン。

 蓮の花が咲き、蝉の合唱が始まる頃である。』

この「こよみのページ」の解説のとおりに、今朝、庭のヤマモミジにとまっている蝉を見つけました。

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本格的な夏が、すぐそこまで来ているみたいです‥‥。