みずほ総合研究所「リサーチTODAY」の
「デフレ脱却は金融緩和だけでは困難」というレポートが、
コンパクトな内容でしたが、大変勉強になりました。
レポートによれば、
実体経済の需給状況と物価上昇率の間には極めて深い関係があり、
たとえば、日本では
GDPギャップの動きに約1年遅れて
消費者物価上昇率が動くという関係があるそうです。
同研究所では、
安倍新政権に伴う経済対策の効果をある程度反映させる形で、
2013年度の成長率を昨年までの見方から1%程度引き上げていますが、
それでも需給ギャップがマイナスの状態を脱するのは難しいようで、
デフレ脱却には、
公共投資の効果と当面の円安効果以上の後押しが必要であると指摘しています。
そして、実体経済面での需給ギャップを改善させるために、
次の3点の道筋が必要になるとしています。
・成長率期待の改善と設備投資の拡大
・企業収益の改善に伴う賃金と雇用の回復
・生産性改善による潜在成長率の引き上げ
さらにレポートでは、
過去のデフレからの脱却事例である
日本の1930年代の大恐慌後の環境を振り返れば、
・金解禁に伴う円高の是正
・円高是正の結果としての輸出の回復
・インフレマインド転換に伴う民間投資の回復
がドライバーとなったとして、
デフレ脱却に向けて、
改めて1930年代の大恐慌の頃の歴史に学ぶ必要があると述べています。
いやはや、それにしても、
安倍新政権が誕生してから、
従来にも増して、金融・経済の記事やレポートを読む機会が多くなりました。
こうして、いろいろな知識を吸収していくのは楽しみでもあります。
でも、いくら新聞や本を読んでも、
当然のことながら、円や株の動きは読みきれません…。
「市場」との対話って、本当にできるものなのでしょうか?