しんちゃんの老いじたく日記

昭和30年生まれ。愛媛県伊予郡松前町出身の元地方公務員です。

文房具のロマン

一週間ほど前にビデオに録画していた「カンブリア宮殿」を今日やっと観ました。
番組のゲストは、消せるボールペン・フリクションボールを開発した
パイロットコーポレーションの渡辺広基社長でした。

フリクションボールは、今では大爆発の商品ですが、
その商品化には約30年の歳月がかかったそうです。
ダンボールの箱から取り出された
研究者の方の100冊にも及ぶ研究ノートには正直圧倒されました。

失敗しても研究を途中であきらめることなく、
最後までやり遂げる企業風土は、
東レの炭素繊維の開発物語を連想させるものがあります。

そして、さらに驚いたのは、
パイロットでは、手書きの企業文化があることです。
職場の様子が撮影されていましたが、机の上にはパソコンはありませんでした。
社員は営業報告書を1枚1枚万年筆で手書きすることが義務付けられており、
その報告書は渡辺社長も自ら目を通されるそうです。

う〜ん、世の中でIT化が進む中、これもちょっと信じられません。
さすがに万年質で書いた文字は、いくらパイロットでも消えませんよね。
報告書を間違ったらどうするんでしょう?

村上龍編集長の編集後記では、次のように述べられています。
フリクションボールなど、数々の画期的な筆記具は、
 「技術を止めるな、これは完成ではない」というリアリスティックな信念と、
 創業者から継承されたロマンの両方に支えられて、開発されたのである。』

ロマンですか…。いい言葉ですよね。
確かに筆記具をはじめとする文房具にはロマンがあります。
だから私も、文房具が大好きです。

バイロットから、
フリクションボールを越える商品が新たに出てくることを期待しています。