しんちゃんの老いじたく日記

昭和30年生まれ。愛媛県伊予郡松前町出身の元地方公務員です。

アニマル・スピリット

一昨日(20日)のこの日記では、次のように企業の「奮起」を期待しました。

『実効税率の引き下げが、雇用や賃金を生みだせばよいのですが、
 引き下げ分が内部留保に回ってしまえば全く意味がありません。
 企業の負担軽減が、私たち庶民の暮らしにも恩恵を及ぼすように、
 ここはひとつ企業は、景気を循環させるお金の使い道を考えていただきたいものです。』

そして、今日の日経新聞「日曜に考える」の「中外時評」には、
「かすむ成長戦略の主役〜企業は自ら停滞感打破を」という論評が掲載されていました。
私の場合は、
単なる「期待感」、あるいは「感想の類」しか書くことができませんが、
やはり日経新聞論説副委員長の書かれる記事は、
数字や思想が随所に散りばめられていて「重厚さ」があります。
(そもそも比較の対象にもなりませんが…。)

私が言いたかったことも、
次のように数字を挙げて具体的に書いていただくと、文章に迫力がでてきます。

『 〜(略)〜 (企業は)稼いだお金も使いこなせていない。
 3月期決算の上場企業の手元資金は3月末で66兆円と過去最高を更新。
 非上場を含む民間企業(金融を除く)が抱える現預金も6月末に220兆円と、
 1年前より6.9%増えた。
 一方、財務省の法人企業統計によると4〜6月期の製造業の設備投資額は
 前年同期比9.1%減と、3四半期連続でマイナスとなっている。
 こうした企業の消極姿勢が、新しいビジネスモデルの創造など
 「イノベーション(革新)」を起こす力の低下にもつながっている。』

この220兆円が企業の内部留保のことだと思います。
一方で、設備投資がこの内部留保の範囲にとどまっていると、
銀行は貸出先がなくなって、お金は市場を循環することがありません。
う〜ん、それにしても随分貯め込んだものですよね。
少し雇用や賃金に回してくれたらいいのに…。

『経済の成長にはリスクをとっての価値創造が必要になる。
 担い手はあくまで民間だ。官民の役割の線引きもはっきりさせておきたい。』
先ほどの論評は、このような文章で締めくくられています。

今、企業に必要なのは法人税の減税ではなく、
ケインズがいうところの「アニマル・スピリット」なのかもしれません。